張本、2年連続五輪王者越えなるか<卓球・男子W杯最終日見どころ> | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:試合中常に考えを張り巡らす張本智和(木下グループ)/提供:ittfworld

大会報道 張本、2年連続五輪王者越えなるか<卓球・男子W杯最終日見どころ>

2020.11.15

文:ラリーズ編集部

<ITTF 男子ワールドカップ 2020年11月13日~15日>

14日、中国威海市で行われている男子ワールドカップは2日目を終え、準々決勝まで行われた。

>>丹羽孝希「もっともっと強く」静かな男の熱い決意

2日目総括

まずは、張本智和(木下グループ)が1回戦に登場。ロベルト・ガルドシュ(オーストリア)相手に鋭いカウンターがさく裂し、1度もゲームポイントを取られずに4-0で勝利。

続く準々決勝では、世界選手権男子シングルス銀メダリストのマティアス・ファルク(スウェーデン)と対戦した。マティアスのフォアハンドのミート打ちと強烈なバックハンドにも打ち負けず、4-1で勝利し、最終日まで残った。


写真:試合後、握手の代わりにラケットを交わす張本智和とロベルト・ガルドシュ(オーストリア)/提供:ittfworld

続いて丹羽孝希(スヴェンソン)が1回戦に登場し、張禹珍(チャンウジン・韓国)と対戦。3-1でリードしていた丹羽だったが、張禹珍が5ゲーム目を取り勢いに乗ると、第6ゲームも取られ最終ゲームまで持ち込まれた。最終ゲームでは9-10で張禹珍が先にマッチポイントを握り、丹羽も1点を取ってデュースに持って行ったが張禹珍の猛攻は止まらず、10-12で張禹珍が勝利した。


写真:ゲームオールのデュースまで続いた大熱戦を繰り広げた丹羽孝希/提供:ittfworld

大会最終日となる15日は、準決勝と3位決定戦、決勝が行われる。

準決勝組み合わせ

樊振東(ファンジェンドン・中国)– 張禹珍(韓国)
張本智和– 馬龍(マロン・中国)

張本、世界王者と対戦

準決勝では、W杯2連覇中の樊振東、五輪と世界選手権で王者となった馬龍、中国勢を除いた世界ランクではトップの張本、そして予選から勝ち上がってきた張禹珍が登場する。


写真:バックハンドの威力を上げてきている張本智和/提供:ittfworld

張本は、準決勝で世界選手権個人戦3連覇を成し遂げている馬龍と対戦する。馬龍は右シェーク裏裏の攻撃型で、すべての技術において非の打ち所がない選手と言える。1回戦でダルコ・ヨルジッチ(スロベニア)に4-2、準々決勝では強敵、ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)に4-1で勝利している。


写真:今大会、徐々に調子を上げてきている馬龍(中国)/提供:ittfworld

両者の直近の対戦成績は2勝2敗であり、前回の男子W杯でも準決勝で両者が対決し、その時は張本が4-2で勝利している。

張本は久々の国際大会であっても、トレーニングで鍛えたフィジカルとメンタルで今大会の初戦から勢いに乗っている。準決勝でもその勢いのまま、前回に続き世界王者越えとなるか。

W杯3連覇を狙う樊振東

今大会の第1シードでアジアチャンピオンの肩書を持つ樊振東は、準決勝では、予選から勝ち上がってきた張禹珍と対戦する。

樊振東は初戦で荘智淵(チュアンチーユエン・チャイニーズタイペイ)に4-0、準々決勝で台湾の若き天才、林昀儒(リンユンジュ・チャイニーズタイペイ)に4-2と危なげなく勝利し、前回大会王者の実力を見せつけた。


写真:樊振東(中国)/提供:ittfworld

対する張禹珍は、予選グループを1位で通過、初戦で丹羽孝希に4-3、準々決勝では鄭栄植(チョンヨンシク・韓国)との韓国勢対決を4-2で勝利し最終日に駒を進めた。


写真:韓国勢対決を制した張禹珍/提供:ittfworld

過去の対戦成績は樊振東が3勝している。両ハンドの攻撃力がとても高い両者による白熱した試合展開が予想される。こちらも目が離せない。

1回戦 結果

〇樊振東 4-0 荘智淵
11-5/11-9/11-8/11-6

〇林昀儒 4-2 パトリック・フランチスカ(ドイツ)
15-13/8-11/11-7/8-11/11-6/11-2

丹羽孝希 3-4 〇張禹珍
13-11/4-11/14-12/11-8/9-11/7-11/10-12

〇鄭栄植 4-2 ウーゴ・カルデラノ(ブラジル)
11-8/14-16/11-9/10-12/11-2/11-7

〇張本智和 4-0 ロベルト・ガルドシュ
11-3/11-7/12-10/11-8

〇マティアス・ファルク 4-3 黄鎮廷(ウォンチュンティン・中国香港)
8-11/11-7/14-12/10-12/11-6/11-13/17-15

〇ドミトリ・オフチャロフ 4-3 リアム・ピッチフォード(イングランド)
12-10/9-11/4-11/11-5/13-11/11-13/11-7

〇馬龍 4-2 ダルコ・ヨルジッチ
11-7/12-14/11-9/11-13/13-11/11-3

準々決勝 結果

〇樊振東 4-2 林昀儒
12-10/9-11/11-2/11-5/7-11/11-5

〇張禹珍 4-2 鄭栄植
15-13/11-9/2-11/11-6/7-11/11-6

〇張本智和 4-1 マティアス・ファルク
11-9/11-8/11-9/4-11/11-9

〇馬龍 4-1 ドミトリ・オフチャロフ
11-9/11-4/11-7/7-11/11-5

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