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公開日 2020.01.01

石川佳純、プレッシャーから解放され見せた真骨頂とは<KA神奈川vsニッペM>


写真:石川佳純木下アビエル神奈川)/提供:©T.LEAGUE

Tリーグの見逃せない名勝負をラリーズ編集部独自の視点で解説する【T.LEAGUE 名場面解説】。今回は12月29日のノジマTリーグ・木下アビエル神奈川(以下、KA神奈川)vs日本ペイントマレッツ(以下、ニッペM)の一戦から、第3マッチの石川佳純と李皓晴(リホチン・中国香港)の試合にスポットライトを当てる。

これまで東京五輪のシングルス代表選考に専念しており、今シーズンのTリーグの出場は9月8日以来で、実に3か月ぶりの試合となった石川。今シーズンの戦績は5勝3敗と勝ち越しているが、12月に入ってノースアメリカンオープンに始まり、グランドファイナルやジャパントップ12など連戦続きで、十分に調整する時間がない中での出場となった。

対する李はニッペMのポイントゲッターとして活躍する選手で、強烈なフォアハンドドライブが持ち味の選手。シングルスでは12月に入ってからはTOP名古屋のハン・インに2連敗を喫し、思うように勢いに乗れないが、ダブルスでは蘇慧音(スーワイヤムミニー・中国香港)や黄郁雯(ファンユーウェン)といった異なるペアリングでも4勝3敗と勝ち越しており、バランスの良い選手だ。

シーズンも後半に差し掛かり、プレーオフに向けて両チームともに負けられない一戦。ニッペMの加藤美優が第2マッチを勝利し、李にとっては有利な状況で迎えた試合だが、厳しい五輪選考を終えた石川が真骨頂を発揮して見事勝利を引き寄せた。

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木下アビエル神奈川 対 日本ペイントマレッツ:石川佳純VS李皓晴

詳細スコア
○石川佳純 3-0 李皓晴
11-6/11-7/11-7

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1. 質の高い台上プレー


図:石川佳純の台上プレー/作成:ラリーズ編集部

この試合、李は石川のフォア前からミドル前にかけて順横回転サーブや、巻き込みサーブ、YGサーブなどの逆横回転サーブを出して、試合を組み立てた。

対する石川はフォアストップを中心に、ストップと同じ打点で放つツッツキ、ナックルフリックでレシーブをした。またバックで回り込んでのチキータや台上ドライブフリック、ストップなど多彩なプレーで李の3球目攻撃待ちを外した。

ストップ中心のレシーブにより、李の3球目強打を防ぐだけでなく、時おり見せるフリックや、チキータ、台上ドライブで早いタイミングで仕掛ける。

注目したいのは、石川のレシーブのコース取りだ。1ゲーム目の3-3の場面、李のサーブをストップした石川に対して李は石川のミドルにダブルストップ。石川はその打球を李のバック側の厳しいコースにナックル気味にフォアハンドでプッシュして返球した。予想外の球種に加え、厳しいコースへの打球に意表を突かれた李はとっさに回り込むも空振りに終わった。その後も石川のフォアフリックは、李のバックサイドを切る厳しいコースを徹底しており、李は最後まで強打で返すことができなかった。

また、リードを作りたい石川は次のレシーブでチキータレシーブからの速い展開で得点した。石川はこのチキータは第3マッチを通じて、重要な局面で用いた。ストップに意識が偏った李の裏をかくレシーブによって、李は次のレシーブを読めなくなり、結果的に石川は試合の主導権を握り続けることができたのだ。

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2. 厳しいコースへのバックドライブ


図:石川佳純のバックドライブのコース取り/作成:ラリーズ編集部

石川の武器といえば、肩甲骨を効率的に使ったスイングで繰り出されるフォアドライブの連打だが、近年はバックドライブの強化にも力を入れている。石川のバックハンドは決して威力抜群というわけではないが、石川ならではの創意工夫が凝らされていた。

レシーブで使うチキータは、スピードや威力よりも、ミドルへのコース取りや横回転を強くし返球のしづらさを優先させており、4球目以降のラリー戦でより高い打点で連打することに重きを置いているようだ。チキータやストップ後の4球目攻撃では、李のフォアサイドを切る厳しいコースへのバックドライブで李に反撃の隙を与えない。

またラリー戦となった際、石川はむやみに李のフォア側へとバックドライブを強打するのではなく、ミドルへとボールを送ることで李の武器であるフォアドライブを封じるだけでなく、バックドライブの質を落とすことにも成功した。

石川にフォアをあまり使わせなかった李に対して、石川は多彩かつ質の高い台上プレーとバックドライブで圧倒し、終始試合の主導権を握り続けることとなった。

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まとめ

12月のグランドファイナルを終えて東京五輪シングルス代表権を確実にした石川。黄金世代と呼ばれる伊藤美誠(スターツ)や平野美宇(日本生命)、早田ひな(日本生命)の台頭が目立つ中、石川が第一線に立ち続ける理由が垣間見えた。

石川は早田のようなパワーや平野のような鋭いチキータはないが、台上プレーの多彩さとその質の高さや、威力よりもコース取りや打球の深さ、回転の取りづらさを追究したプレーはまさに石川のプレーの真骨頂と言えよう。

今回の試合では、自身でも「プレッシャーなくできた」と話すように、これまでの国際大会で見せた以上にひとつひとつの技術に冴えが見られた。ともすれば無理にでも回り込んでフォアハンドで強打することも多い石川は、プレッシャーから解放されバックドライブでも自信を持って攻める展開が印象的だった。多彩な技術の質と安定感を兼ね備えた石川が、これからチームをどこまで引っ張るのか目が離せない。

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文:ラリーズ編集部

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