【卓球】ストップのコツ やり方やメリット・デメリットを徹底解説|卓球基本技術レッスン | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

卓球技術・コツ 【卓球】ストップのコツ やり方やメリット・デメリットを徹底解説|卓球基本技術レッスン

2019.07.10

この記事を書いた人
初級者、中級者向けに基本技術の説明から、戦術論や卓球コラムまでを執筆。社会人になってから5回全国に出場し、全日本卓球選手権(マスターズの部・男子30代以上の部)ではベスト64。まさに“頭で勝つ!”を体現中。
戦型:右ペン表裏

卓球ライター若槻軸足がお届けする「頭で勝つ!卓球戦術」

今回からは複数回に渡って、初心者向けに卓球の基本的な技術についての説明と、そのやり方についてお話していく。実際のプレイヤーはもちろん、テレビなどで観戦される方にとっても、頻繁に出てくる用語が登場するので、知っているとより卓球の面白さが分かるだろう。ぜひ参考にしていただきたい。(特に記述がない限り、右利きの選手を想定している)

>>【初心者必見】ストップの対処と封じ方|卓球基本技術レッスン

ストップとは

ストップとは、ひとことで言えば「相手に攻めさせない台上技術」である。主にレシーブの際に使われることが多い。まず基本的に卓球は、相手コートで2バウンドする、「短い」ボールからラリーが始まる。長いボール、つまり台で2バウンドせずに出ていってしまうボールに対しては、体全体を使った大きなスイングが出来るので、威力のある強いボールが打ちやすい。

一方で台で2バウンドするくらいの短いボールは、台の中で打球しないといけない為、前腕から手首だけを使った小さいスイングにならざるを得ない。なので、サーブにおいてもこの短いボールを出すことが、相手に強いボールを打たせない為には必須の条件なのだ。

>>サーブのコツはこちら

そしてストップというのは、その2バウンドする短いボールに対して、同じように相手に強いボールを打たせない為に、短く返す、という技術である。基本的には短い長さの下回転やナックル(無回転)といった、いわゆる「縦回転」系のサーブに対して行うことが多い。横回転系のサーブに対してストップをするには、少し複雑な見極めが必要となる。

短いボールに対して行う台上処理の技術であるため、台から1バウンドで出てしまう長いボールに対してストップを行うことは通常はしない。(かなり高度な技術が必要となる)

>>【初心者必見】卓球の「ツッツキ」とは?打ち方と練習法|卓球基本技術レッスン

ストップのメリット

まず一番のメリットとしては、「相手に強打をさせない」ということが出来るという点だ。チキータなどの台上から攻める技術が進歩してきてはいるが、きっちりと短く、低く、ネット際にストップが決まれば、よほどの選手でない限りは強いボールは打てないだろう。

もう一つのメリットとしては、「相手を前に寄せることが出来る」ということだ。卓球で相手を揺さぶるには、フォア側バック側といった「左右の揺さぶり」以上に「前後の揺さぶり」が有効だ。ストップで相手をネット際におびき寄せておいてから、次球で台の奥深くにツッツキ、という揺さぶりはどんな相手であろうとも苦しめることが出来るだろう。

>>下回転サーブの最適なレシーブとは?トップ選手に学ぶレシーブ講座

ストップのやり方

では実際のやり方についてだ。ここではバック前に下回転のサーブを出された状況を想定する。まず最初に肝心なのは、「ストップが出来るかどうかを見極める」ということだ。

そこで、ボールが短いからストップが出来そうだと判断をしたら、素早くボールの落下地点に足を出す。この時は右足でも左足でも構わないが、右足を出すのが一般的だろう。そうしてボールに十分に近付いたら、ラケットを真っ直ぐ出し、バウンドした直後を「ちょん」と触るような感じで打球する。ボールがネットのギリギリ上を通って、相手コートで2バウンドするくらい短く返球出来れば成功だ。この時のコースは、ストレートコースであるフォア前を狙うのが、自分もやり易く、相手も対応が難しくなるのでオススメである。

>>【頭で勝つ!卓球戦術】“練習のための練習”ではなく、“試合のための練習”を

ストップのコツ

上手にストップが出来ない人で一番ありがちなのは、「ボールにしっかりと近づけていない」ことだ。ストップで何よりも重要なのは、「バウンド直後のボールを捉える」ことである。このタイミングが遅いと、相手コートで2バウンドするストップにならない。

バウンド直後を捉える例(ラリーズ編集部)

タイミングが遅い例(ラリーズ編集部)

その為には「素早く相手のボールの落下地点に入る」ことが重要だ。そのため、まず足の使い方が非常に大切になってくる。この時膝が伸びていると、どうしても上体が起き上がるので、しっかりとボールに近付けない。そうすると、腕が伸びきった状態になり、コントロールがうまくいかない。

ストップの悪い例(ラリーズ編集部)

まず、しっかりと膝を曲げて、台の上に覆いかぶさるようにすることが大切だ。「ボールに顔を近づける」イメージでやるとうまくいく。そうすれば、腕にも余裕が出来るのでコントロールがしやすくなり、しっかりとしたストップが出来る。

ストップの良い例(ラリーズ編集部)

ストップのデメリット

ストップのデメリットとしては、「相手に色々な対応をされてしまう」ということである。例えば、フォア側に長いツッツキを送ったとすると、基本的には返ってくるのはフォアハンドドライブだ。しかし、ストップをしてしまうと、次の返球は色々と予想される。ツッツキ、フリック、チキータ、流し、さらにダブルストップと、多数の選択肢から返球を予想しないといけないのだ。特に台上技術が得意な相手に対しては、ストップをすることはあまり得策ではないと言えるだろう。

>>ストップが効かないときに有効なチキータのコツはこちら

まとめ

とはいえ、ストップはやはり最も高い確率で相手の強打を防ぐ、最強の守りの技術と言えるだろう。水谷選手などは、どんな回転のサーブに対してもストップが出来ると言うほどの名手だ。そこに絶対的な自信を持ち、ストップを駆使して相手の攻めを封じ、常に自分の展開で試合を運ぶことが出来る。

そこまでのレベルに達するのは至難の技であるが、基本的なレシーブ、台上技術としてストップは必須だ。初心者の方はぜひ繰り返し練習して、習得してほしい。また中級者の方も、使い所も含めてよく考えて、使いこなしていってほしいと思う。

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