文:ラリーズ編集部
<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 11月21日(土)>
21日、卓球Tリーグサードシーズン男子の試合が行われ、昨季2位の琉球アスティーダ(以下、琉球)が昨季3位のT.T彩たま(以下、彩たま)を下し、今季成績は4試合で3勝1敗となった。第1から第3マッチを琉球が奪い、第4マッチで彩たまが一矢報いた形となり、琉球は勝ち点3を手にした。
勝負を分けた第2マッチに登場した平野友樹(琉球)が、オンライン会見で試合を振り返った。
平野友樹、同期のライバル・神巧也に勝利
ロンドン五輪で日本卓球界初のメダルを獲得した平野早矢香さんの弟でもある平野友樹。全中で優勝した経験を持ち、野田学園高校、明治大学と進み、現在は実業団の名門・協和キリンに所属している。
写真:開幕戦での平野友樹(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部
今回対戦した神巧也とは、明治大学卓球部時代の同級生で、平野本人も「同期のライバル」と評している。また、平野は昨季までは彩たまに所属していたため、古巣との対戦となった。
写真:神巧也(T.T彩たま)/提供:©T.LEAGUE
試合は「やり慣れている中での対戦なので、いろんな戦術が通じないと頭に入れて、自分ができる限りのパフォーマンスをしようと心がけた」という平野がゲームカウント3-0のストレートで勝利を収めた。
「水谷さんに心を折られた」平野、チームの声援を背に勝利
平野は、Tリーグ開幕直前の15日まで行われていた実業団の大会・日本卓球リーグでは、シングルス7戦6勝でチームの優勝に貢献し、最高殊勲選手賞を受賞していた。勢いそのままに臨んだ17日のTリーグ開幕戦だったが、水谷隼(木下マイスター東京)にゲームカウント0-3で敗れた。
「日本リーグは内容がよかったんですけど、開幕戦で水谷さんに心を軽く折られた。気持ち的にはマイナスになりそうだったところを、周りに励まされて、今日試合に臨めた。チームが後押ししてくれた一戦でした」。主将の吉村真晴を中心に、1点ごとに大きな声を出し、プレーする選手を鼓舞する琉球のチームメートに感謝を述べた。
写真:開幕戦では水谷に敗れた平野友樹(琉球アスティーダ)/撮影:ラリーズ編集部
今季から琉球に加入した28歳の平野だが、他にも琉球には全日本チャンピオンの宇田幸矢、全日本3位の戸上隼輔の19歳コンビ、元世界卓球代表の24歳吉村和弘と実績ある若手も加わった。さらにリオ銀メダリストの吉村真晴、全日本ベスト4の実績を持つ木造勇人、昨季の最終戦で金星をあげた有延大夢、カットマンの村松雄斗とそうそうたるメンバーが名を連ねる。日本選手の中では平野が最年長だ。
写真:第3マッチで松平健太を下した吉村真晴(琉球アスティーダ)/提供:©T.LEAGUE
選手層が厚くなり、まずチーム内の熾烈なレギュラー争いを制さないと試合に出ることができない状況だ。平野もそれを十分に理解し、並々ならぬ決意で試合を戦っている。
「負けたら試合に出られないというプレッシャーの中で、勝ち続けないといけない。1試合1試合緊張感がある。その中で試合ができるというありがたさと挑戦という気持ち」。
日本選手の層の厚さで言えばリーグ1の琉球で、まだまだ若手には負けまいと奮闘する28歳の挑戦から今後も目が離せない。
T.T彩たま 1-3 琉球アスティーダ
写真:勝利した琉球アスティーダメンバー/提供:©T.LEAGUE
松山祐季/髙見真己 1-2 〇吉村和弘/宇田幸矢
11-5/9-11/8-11
神巧也 0-3 〇平野友樹
8-11/6-11/7-11
松平健太 2-3 〇吉村真晴
11-9/7-11/11-9/8-11/8-11
〇英田理志 3-1 宇田幸矢
9-11/11-10/11-6/11-10