文:ラリーズ編集部
<卓球・ノジマTリーグ2020-2021シーズン 12月15日(火)>
Tリーグサードシーズン男子の試合が10日行われ、岡山リベッツ(以下、岡山)が木下マイスター東京(以下、KM東京)をマッチカウント3-2で下した。岡山は主将の上田仁が、昨季のMVPカットマン侯英超(KM東京)を下し、チームに今季2勝目をもたらした。
>>上田仁「カギはダブルスにあり」 岡山が仕掛ける“弱者の兵法”とは
左肩故障の森薗が戦列復帰
写真:森薗政崇・町飛鳥ペア(岡山)/提供:©T.LEAGUE
昨季、KM東京相手に勝ち星をあげられず最下位に沈んだ岡山は、第1マッチのダブルスに森薗政崇/町飛鳥を今季初めて起用した。しかし、KM東京の水谷隼の積極的な攻めに対し、打開策を見つけられずゲームカウント0-2で敗れてしまう。
写真:水谷隼・田添健汰(木下マイスター東京)/提供:©T.LEAGUE
試合後、岡山の白神監督は「水谷/田添ペア相手で大きなラリーになることを予想して、上田ではなく町とのペアにした。(故障を抱えていた)森薗の左肩はもう問題ない。本人のダブルスへの思いも強いので起用した。また、ビクトリーマッチまで行く想定の上で、(VMに)出せる選手を絞らせたくなかった」と起用の意図を明かした。
敗れはしたものの、ダブルスの名手・森薗の復帰は、巻き返しを誓う岡山にとっては大きな“補強”となるだろう。
“職人技”上田仁が見事なカット打ち
大事なダブルスを落とし、嫌な流れを止めたのは2番に登場した上田仁(岡山)だ。対戦相手は昨季MVPの40歳カットマン侯英超(KM東京)。
写真:侯英超(KM東京)/提供:©T.LEAGUE
上田は初対戦の侯英超に対し、1ゲーム目を落とすも、見事な戦術転換でゲームカウント3-1と逆転勝利を収めた。上田に2ゲーム目以降の戦術面について詳しく話を聞いた。
「カットまで持ち込めれば展開的にはやりづらくなかった。ただ、カットに持ち込むまでの(ツッツキなどの)変化がわかりづらかった。まずはサーブの配球を変え、自分の3球目を打たずにツッツキをし、次を狙った。1球安定を挟み、次を攻めるという戦い方がはまった」。
写真:開幕戦での上田仁(岡山リベッツ)/撮影:ラリーズ編集部
上田は、カットマン相手にはあまりツッツキは使わない戦い方を今までとってきたという。しかし、今回の侯英超戦では、新たな戦い方で勝利を掴み取った。
「今まで対戦したことのない変化の大きいカットマンで(打ちに行くと)ミスをしてしまう。そこでツッツキを多く使う戦い方に変えて勝てた。新しい戦い方もあるなと試合を通して学べたのも大きかった」。12月10日に29歳を迎え、ベテランの域に入ってきた。だが、上田はまだまだ成長を続ける。
白神監督も「(上田は)戦術の幅が広く、変なミスをしないし、見ていて安心感がある。“職人技”を見せてカットマンを攻略してくれた」と主将の活躍に目を細めた。
巻き返しを誓う岡山
試合は、上田の勝利から流れを掴んだ岡山が、エース丹羽孝希の2勝の活躍で今季2勝目をあげた。
写真:丹羽孝希(岡山リベッツ)/提供:©T.LEAGUE
「すごいプレッシャーの中でも自分の仕事はできた。2,3,4位が混戦状態の中、今後に繋がる1勝。長いシーズンなので、1つ1つ積み重ねていくだけ」と“仕事人”上田は、すでに次を見据える。
ファーストシーズンは2位でファイナル進出も、昨季は最下位と悔しい思いをした岡山。ダブルスの名手・森薗の復帰、主将・上田の勝利、エース・丹羽の2勝と、巻き返しの準備は整った。
写真:勝利した岡山リベッツ/提供:©T.LEAGUE
木下マイスター東京 2-3 岡山リベッツ
〇水谷隼/田添健汰 2-0 森薗政崇/町飛鳥
11-9/11-5
侯英超 1-3 〇上田仁
11-6/5-11/8-11/10-11
水谷隼 1-3 〇丹羽孝希
10-11/7-11/11-10/6-11
〇及川瑞基 3-0 サティアン・グナナセカラン
11-5/11-5/11-6
及川瑞基 0-1 〇丹羽孝希
7-11
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