文:ラリーズ編集部
今回は、アジアジュニア選手権3連覇の記録を持ち、2022年には世界ランキングを7位まで上げた中国の若手・陳幸同(チェンシントン)について紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、世界ランキングを上げる要因となっている国際大会での戦績についても触れます。
陳幸同とは?
陳幸同はアジアジュニア卓球選手権を2014年から3連覇するなど、ジュニア時代から将来を嘱望されていた中国人選手です。
シニアに戦いの場を移した後も2017年にはツアー2大会で優勝、グランドファイナルでもベスト4に輝きました。2019年でもブルガリアオープン、チェコオープンを制し世界選手権個人戦には出場していませんが、今後の中国を引っ張っていく若手選手と言われています。
陳幸同のプロフィール
陳幸同(チェンシントン/Chen Xingtong)は1997年5月27日生まれの26歳(2024年2月時点)で、中国の遼寧省瀋陽市出身です。上背はないものの、パワーとテクニック、メンタルの強さを兼ね備えたオールラウンダーです。陳幸同はかつては平野美宇のコピー選手として中国トップ選手の練習相手を務めていました。
そんな陳幸同は2014年にアジアジュニア選手権で優勝すると、2015年、2016年も同大会で優勝し、3連覇を果たしました。2015年には同年代のライバルでもある王曼昱(ワンマンユ・中国)に決勝で勝利し、全国青年選手権でも優勝しました。
写真:陳幸同(チェンシントン・中国)/提供:ittfworld
シニアに活躍の場を移した後も2017年にはハンガリーオープン、スウェーデンオープンで優勝しグランドファイナルに出場、ベスト4に輝きました。2019年にもブルガリアオープン、チェコオープンで優勝、T2ダイヤモンド・シンガポールにも出場。同年には世界ランキングも7位まで上昇させ、名実ともに中国トップ選手の仲間入りを果たしました。
このように着実に成長を遂げていた陳幸同ですが、2020年に新型コロナウイルスの流行によって国際大会への出場機会を奪われると、なかなか目立った成績を残すことができなくなりました。
それでも、2021年の世界選手権ヒューストン大会の中国代表に選出されると、女子シングルスでベスト8進出を果たし、その強さを見せつけました。そして、2022年にはWTTコンテンダーマスカットⅡ、WTTフィーダーパナギュリシテで優勝を飾り、世界トップの選手が集まったWTTチャンピオンズマカオでは準優勝。世界ランキングも大幅に上昇し、2023年8月には自己最高となる3位までアップしました。
陳幸同のプレースタイル
陳幸同の戦型は、右シェーク裏裏ドライブ型です。上背はないものの、パワーとテクニックを兼ね備えたオールラウンダーです。平野美宇のコピー選手を務めるとあって、両ハンドで積極的に攻めてストレートを突くのも得意な選手だ。ブロック力も高く、左右に振られても崩れない体幹の強さもありラリー戦に強い傾向がみられます。
サーブは下回転や横回転のサーブといった回転量の多さで勝負し、得意な両ハンドにつなげラリー戦に持っていきます。レシーブではチキータやストップなど多様な技術を使用します。
陳幸同の使用用具
陳幸同の使用用具は、ラケットがバタフライの『張本智和インナーフォースALC』で、ラバーはフォア面は紅双喜の『キョウヒョウ NEO 3』、バック面はバタフライの『テナジー 05』を使用しているようです。
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陳幸同の世界ランキング
陳幸同の世界ランキングは6位(2024年2月時点)で、最高ランキングは3位(2023年8月)です。
陳幸同の世界ランキングは2017年1月時点で62位でした。その後ワールドツアー優勝やグランドファイナルベスト4の成績を残し、2017年12月には前月の33位から10位に大きくジャンプアップを果たしました。
陳幸同の主な戦績
2013年 | アジアジュニア選手権 | 女子シングルス:優勝 |
2014年 | アジアジュニア選手権 | 女子シングルス:優勝、女子ダブルス:優勝、混合ダブルス:優勝 |
2015年 | アジアジュニア選手権 | 女子シングルス:優勝 |
2017年 | ハンガリーオープン | 女子シングルス:優勝 |
スウェーデンオープン | 女子シングルス優勝 | |
グランドファイナル | 女子シングルス:ベスト4 | |
2019年 | ブルガリアオープン | 女子シングルス:優勝 |
チェコオープン | 女子シングルス:優勝 | |
2021年 | 世界選手権ヒューストン大会 | 女子シングルス:ベスト8 |
2022年 | WTTコンテンダーマスカット | 混合ダブルス:優勝 |
WTTコンテンダーマスカットⅡ | 女子シングルス:優勝、女子ダブルス:優勝、混合ダブルス:優勝 | |
WTTフィーダーパナギュリシテ | 女子シングルス:優勝 | |
世界選手権成都大会 | 女子団体:金メダル | |
WTTチャンピオンズマカオ | 女子シングルス:準優勝 | |
2023年 | WTTチャンピオンズ新郷 | 女子シングルス:準優勝 |
WTTスターコンテンダーバンコク | 女子シングルス:優勝、女子ダブルス:優勝、混合ダブルス:優勝 | |
世界選手権ダーバン大会 | 女子シングルス:銅メダル | |
アジア選手権 | 女子シングルス:銅メダル、女子団体:金メダル | |
WTTスターコンテンダー蘭州 | 女子シングルス:ベスト4 | |
WTTコンテンダー太原 | 女子ダブルス:優勝 | |
WTTファイナルズ名古屋 | 女子シングルス:ベスト4 | |
2024年 | WTTスターコンテンダードーハ | 女子ダブルス:優勝 |
世界選手権釜山大会 | 女子団体:金メダル |
まとめ
ワールドツアーで成績を残している中国期待の若手でもある陳幸同。ダブルスでは成績を残していましたが、今後はシングルスでの活躍も期待させ、日本選手の前に立ちふさがり熱戦が展開されるのが期待されます。