今回は、ジュニア時代から中国香港のエースとしてチームを引っ張り、黄鎮廷(ウォンチュンティン)との混合ダブルスで実績を残している杜凱琹(ドゥホイカン)について紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会でのシングルスだけでなくダブルスの戦績についても触れます。
アジアジュニア卓球選手権大会と世界ジュニア卓球選手権でのメダルを数度にわたり獲得し、2019年の世界選手権ブタペスト大会では日本の石川佳純に勝利しベスト8に輝いた杜凱琹。今回は、そんな杜凱琹のプロフィールを見ていきましょう。
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杜凱栞とは?
杜凱琹は、ジュニア時代から頭角を現し、世界ジュニア選手権では4大会連続団体で銅メダルに輝き。アジアジュニア選手権でも団体戦、個人戦含め銀メダル3枚、銅メダル8枚を獲得した選手です。
その後、黄鎮廷(ウォンチュンティン)と組んだ混合ダブルスでは2015年、2017年と2大会連続で世界選手権3位に輝きました。2019年でもツアーで2大会優勝しており、グランドファイナルでは水谷隼/伊藤美誠(日本)に敗れたものの3位に輝いています。
Tリーグの木下アビエル神奈川の選手として2018-2019シーズンから参戦している、杜凱琹のプロフィールを見ていきましょう。
プロフィール
杜凱琹は、1996年11月27日生まれの23歳(2019年12月時点)。ジュニアから世界大会でメダルを獲得し、混合ダブルスで世界トップクラスの実績を残す中国香港のエースです。7歳の時に卓球を始め、将軍澳カトリック小学校、協恩中学へ進学。2010年から国際ユース大会に香港代表として出場し、アジアジュニア卓球選手権大会及び世界ジュニア卓球選手権のメダルを獲得。2014年のユースオリンピックではシングルスで銀メダルに輝きました。この成績が認められ、「香港の傑出した青少年アスリート」に選ばれました。
2015年の世界選手権蘇州大会で黄鎮廷(ウォンチュンティン)と組んだ混合ダブルスで銅メダルを獲得し、2017年にも銅メダルを獲得しました。2019年にはツアー2大会で優勝し、その年のグランドファイナルでは第1シードとして出場し3位に輝きました。
ダブルスだけでなく、シングルスでも近年成績を残しつつあります。2019年のアジアカップでは石川佳純に敗れたものの、平野美宇に勝利し5位に輝きました。同年の世界選手権ブタペスト大会では、3回戦で中国香港の李皓晴(リホチン)との同士討ちを制し、4回戦では石川佳純に勝利しベスト8に進出。
2018-2019シーズンからTリーグの木下アビエル神奈川に加入し、2019-2020シーズンではシングルス、ダブルス含め5勝3敗の成績を残しています。
プレースタイル
杜凱琹の戦型は、右シェーク裏裏ドライブ型です。ラリー戦でのミスが少なく、特にバックハンドでのブロック力の高さが目を見張ります。中国選手のような強烈なドライブを打つ選手ではありませんが、緩急や前後のボールの押し引きに抜群の冴えを見せるクレバーな選手です。
混合ダブルスではうまくコースを突いたブロックやカウンターで、チキータの質、精度が高く、中陣からのフォアハンドも強力な黄鎮廷との抜群のコンビネーションを見せます。
サーブは女子選手には珍しくYGサーブを使用し、得意なバックハンドのラリー戦に持っていき、甘い球をフォアで狙っていきます。レシーブではチキータを多用し、得意な上回転のラリー戦に持っていく傾向がみられます。
使用用具
杜凱琹の使用ラケットはSTIGAの木材5枚合板の「インフィニティ VPS Ⅴ」で、ラバーはフォア面、バック面ともに紅双喜の「キョウヒョウ NEO 3」を使用しているようです。
世界ランキング
杜凱琹の世界ランキングは2013年12月時点で77位でした。ジュニア大会の成績が考慮され、2014年1月53位、3月に24位とジャンプアップを果たしました。その後、2017年12月まで10位台から30位のあいだで推移していました。ランキングの計算方法が変更になった2018年1月には9位に輝き、初の1桁順位となりました。2019年12月の最新の世界ランキングでは少し落ちて15位となっていますが、世界トップレベルの実力を持っている選手です。
国際大会の主な戦績
2013年 | アジアジュニア卓球選手権 | 団体3位・シングルス2位・女子ダブルス3位(LAM Yee Lokペア) |
2014年 | ユースオリンピック | 混合団体3位・シングルス2位 |
アジアジュニア卓球選手権 | 団体3位・シングルス3位・混合ダブルス3位(何鈞傑ペア) | |
2015年 | 世界選手権蘇州大会 | 混合ダブルス3位(黄鎮廷ペア) |
2017年 | カタールオープン | U21シングルス優勝 |
世界選手権デュッセルドルフ大会 | 混合ダブルス3位(黄鎮廷ペア) | |
2018年 | グランドファイナル | 混合ダブルス優勝(黄鎮廷ペア) |
2019年 | ITTF-ATTUアジアカップ | シングルス5位 |
韓国オープン | 混合ダブルス優勝(黄鎮廷ペア) | |
オーストラリアオープン | 混合ダブルス優勝(黄鎮廷ペア) | |
グランドファイナル | 混合ダブルスベスト4(黄鎮廷ペア) |
まとめ
混合ダブルスだけでなく、近年シングルスの成績も残している杜凱琹。混合ダブルスではグランドファイナルや世界選手権でも好成績を挙げており、東京五輪で金メダルを狙う日本ペアの強力なライバルとなるのは間違いないです。
鉄壁のバックハンドとクレバーさをもっている杜凱琹が、Tリーグを含めどこまで活躍していくのかに注目が集まります。