Tリーグや国内大会、国際大会で数多くの好成績を残し、今の日本卓球界をけん引している水谷隼を紹介します。プロフィール、プレースタイル、使用用具などの基本的な情報から、国内外の大会成績についても触れていきます。
2019年の全日本選手権で通算10度目の優勝を果たした水谷隼。今回は、そんな水谷隼のプロフィールを見ていきましょう。
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このページの目次
水谷隼とは?
水谷隼は、2019年の全日本選手権で優勝し、通算10度目の優勝果たし、最多優勝記録を更新しました。試合後「今年で最後の全日本選手権にしたい。来年は出場しないと思う」と話し、全日本選手権シングルス引退を表明しました。
また、2016年に開催されたリオデジャネイロオリンピックでは五輪シングルスで男女通じての日本人初のメダル(銅メダル)を獲得し、団体戦でも銀メダルに導きました。
他にも数々の大会で好成績を残している水谷隼のプロフィールを見ていきましょう。
写真:水谷隼(木下マイスター東京)/撮影:ラリーズ編集部
プロフィール
水谷隼は1989年6月9日生まれ、年齢は31歳(2021年4月時点)で、静岡県磐田市の出身です。
小さい頃はサッカー、バスケ、バレーなどの様々なスポーツをしていて、何でもできたそうです。両親が卓球経験者で、5歳から卓球を始めました。当初は右利きでしたが、両親が左利きの有利性を考え、卓球の利き手を左に強制しました。
小学1年生の時に初出場した日本選手権のバンビの部で準優勝すると、本格的に卓球にのめりこみます。その後、優勝を重ね、中学になると卓球面を考え、福原愛などを輩出する青森山田中学に転校することになりました。
中学2年の時に全日本選手権ジュニアの部で優勝し、青森山田高校に進学すると、当時男子史上最年少で世界卓球選手権日本代表に選出されました。その世界卓球選手権では格上で当時世界ランキング8位の荘智淵(チュアンチーユエン・チャイニーズタイペイ)を破るなどの活躍をし、日本のエースへと上り詰めました。
2006年には当時史上最年少の17歳7ヶ月での全日本選手権優勝を果たすと、2007年のクロアチア世界卓球選手権の出場が決まると、「世界での戦うためのサポート体制が良い」と2007年には明治大学への進学を決めました。
写真:水谷隼(木下グループ)/撮影:アフロスポーツ
2010年には全日本選手権のシングルスで初戦から圧倒的な力の差を見せつけ、見事優勝し、史上初の男子シングルス5連覇を達成しました。2013年には高校時代に知り合った一般女性と結婚し、2014年には第1子となる長女が誕生しました。
2016年のリオ五輪では五輪シングルスで男女通じての日本人初のメダルを獲得しました。また、2017年3月1日より木下グループに所属しています。
Tリーグにも初期から参戦しており、木下マイスター東京の選手として活躍しています。2020-2021シーズンのシングルスの通算成績は13勝7敗と高い勝率を残しています。
2019年には全日本選手権で優勝し、優勝記録を更新する10回目の優勝を果たしました。驚くべきことに、水谷は全日本選手権で初優勝を飾った2007年から2019年まで13年連続で決勝に進出しており、男子ダブルスでも7回の優勝を飾っています。
Twitterでは、卓球のことはもちろん、趣味であるクラッシュロワイヤルのことなどオフショットも数々掲載されています。さらに最近ではテレビ番組への出演も増えており、卓球の普及にも貢献しています。
水谷隼Twitter
プレースタイル
水谷隼のプレースタイルは左シェーク裏裏型で、柔らかいボールタッチと高い身体能力が武器です。ラリーにおけるボールの読みに優れています。
また、多彩なサーブを持ち、サーブだけでなく、ストップやブロック、ロビングなどを得意とするオールラウンダーです。
使用用具
水谷隼のラケットは「水谷隼ZLC」を使用しているようです。こちらはバタフライと水谷が共同開発し、軽さや弾み、しなやかさを持つカーボンを搭載し、前衛から後衛まで幅広いプレー領域で、多彩なプレーを可能にします。グリップはフレアを使っています。
ラバーには「ディグニクス80」を使用しているようです。
水谷は用具選びには妥協せず、技術だけではなく、用具にもこだわりました。リオデジャネイロオリンピックでメダルを取れたのもは、用具を変えて攻撃的なスタイルで挑戦したからと語っています。
世界ランキング
水谷隼の世界ランキングは2020年12月時点で15位。自己最高位は18位で、張本が2019年1月に3位になるまで日本人歴代最高位でした。
国内大会での主な戦績
2012年 | 全日本選手権 シングルス準優勝 | ダブルス優勝(岸川聖也ペア) |
2013年 | 全日本選手権 シングルス準優勝 | ダブルスベスト4(岸川聖也ペア) |
2014年 | 全日本選手権 シングルス優勝 | ダブルス準優勝(岸川聖也ペア) |
2015年 | 全日本選手権 シングルス優勝 | ダブルス準優勝(岸川聖也ペア) |
2016年 | 全日本選手権 シングルス優勝 | ダブルス優勝(吉田雅巳ペア) |
2017年 | 全日本選手権 シングルス優勝 | ダブルス3位(吉田雅巳ペア) |
2018年 | 全日本選手権 シングルス準優勝 | ダブルス優勝(大島祐哉ペア) |
2019年 | 全日本選手権 シングルス優勝 |
国際大会での主な戦績
2009年 | ITTFプロツアー中国オープン | ダブルス優勝(岸川聖也ペア) | |
ITTFプロツアージャパンオープン萩村杯 | ダブルス優勝(岸川聖也ペア) | ||
ITTFプロツアー韓国オープン | シングルス優勝 | ||
2010年 | ITTFプロツアーグランドファイナル | シングルス優勝 | |
ITTFプロツアーハンガリーオープン | シングルス優勝 | ||
2011年 | ITTFプロツアージャパンオープン | シングルス準優勝 | |
2012年 | ITTFワールドツアージャパンオープン萩村杯 | シングルス優勝 | |
ITTFワールドツアークウェートオープン | シングルス優勝 | ||
2014年 | ITTFワールドツアーグランドファイナル | シングルス優勝 | |
ITTFワールドツアージャパンオープン萩村杯 | シングルス準優勝 | ダブルス優勝(岸川聖也ペア) | |
2015年 | ITTFワールドツアーオーストリアオープン | シングルス優勝 | |
2016年 | リオデジャネイロオリンピック2016 | シングルス銅メダル | 団体銀メダル |
世界選手権 | 団体戦準優勝 | ||
2018年 | ITTFワールドツアーグランドファイナル | シングルスベスト4 |
まとめ
長きにわたり日本卓球界をけん引してきた水谷隼。全日本選手権10回優勝、卓球日本代表初の五輪個人戦でのメダル獲得など、多くの偉業を達成した選手です。東京五輪で第一線を退くといわれていますが、水谷隼の活躍に期待です。