梁靖崑(リャンジンクン)の使用用具・大会成績・プロフィール | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:梁靖崑(リャンジンクン・中国)/提供:WTT

卓球選手紹介 梁靖崑(リャンジンクン)の使用用具・大会成績・プロフィール

2024.06.01

文:ラリーズ編集部

ジュニア時代から活躍しており、2019年の世界選手権では日本の丹羽孝希に勝利し3位に輝いた梁靖崑(リャンジンクン・中国)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、近年成績を残している国際大会での戦績についても触れます。

梁靖崑とは

梁靖崑は2013年アジアジュニアで優勝を果たすと、同年の全中国選手権で優勝した馬龍と激しい打撃戦を繰り広げ、注目を浴びました。その後2015年には18歳で世界選手権シングルス代表に選ばれるなどジュニア時代から成績を残していました。

2018年の全中国選手権では準決勝で周雨(ジョウユー・中国)、決勝で方博(ファンボー・中国)を下して優勝を果たしまし、同年のオーストリアオープンでは樊振東(ファンジェンドン・中国)、許昕(シュシン・中国)を連破してワールドツアー初優勝を飾りました。

中国国内では「大胖(大デブ)」という愛称で、「小胖(小デブ)」の愛称を持つ樊振東と一緒に親しまれています。

梁靖崑のプロフィール

梁靖崑(リャンジンクン/Liang Jingkun)は1996年10月20日生まれの27歳(2024年6月時点)で、中国河北省唐山市出身です。

2013年のアジアジュニア選手権で優勝したことから注目を集め始め、中国超級リーグでも大物食いを見せていました。しかしながら好不調の波が激しく、本格的にシニアの大会に参戦しても安定した成績を残せず、その他の中国選手と比べると伸び悩んでいました。


写真:梁靖崑(リャンジンクン・中国)/提供:WTT

しかし、2018年の全中国選手権で優勝を飾ると、2018年のオーストリアオープンでは中国代表の樊振東(ファンジェンドン)、許昕(シュシン)に勝利しツアー初勝利を挙げ、世界ランキングでも上位に食い込むようになってきました。2019年の世界選手権選考会では自力で出場権を獲得すると、本大会では樊振東と丹羽孝希に勝利してシングルスで銅メダルを獲得。林高遠(リンガオユエン)と組んだダブルスでも銅メダルを獲得しました。

世界選手権後も梁靖崑はワールドツアーで上位進出を果たし、同年10月に開催されたチームワールドカップの中国代表にも選出され、優勝に貢献しました。


写真:梁靖崑(リャンジンクン・中国)/撮影:ラリーズ編集部

このように、着実に力をつけてきた梁靖崑ですが、2021年の東京五輪では代表入りを逃します。しかし、その悔しさをバネにして、梁靖崑は同年開催されたWTTコンテンダーラシュコ、WTTコンテンダーノヴォ・メストで優勝を飾り、世界選手権では2大会連続となる男子シングルスと男子ダブルスで銅メダルを獲得しました。

2024年に開催されるパリ五輪を目指して着実にステップアップしていった梁靖崑でしたが、2022年10月に開催されたWTTチャンピオンズマカオで事件は起きます。男子シングルス2回戦で林高遠との同士討ちを制した梁靖崑は、嬉しさのあまり、自身のラケットをゲームパンツに突き刺すパフォーマンスを披露します。


写真:梁靖崑(リャンジンクン・中国)/提供:WTT

この行動を重く受け止めた中国卓球協会は後日声明を発表し、2022年度の公式大会(国内外問わず)への出場禁止を梁靖崑に課しました。これにより、すでに出場が決まっていたWTTカップファイナルズへの参加もできなくなり、世界ランキングポイントを稼ぐチャンスを逃してしまったのです。なお、同大会では中国代表内で梁靖崑と同程度の立ち位置にいた王楚欽(ワンチューチン)が優勝し、差をつけられる形となりました。

しかし、出場停止処分が明けて国際大会へ復帰した梁靖崑は、これまで以上のパフォーマンスを見せます。2023年のWTTチャンピオンズ新郷では準優勝を果たし、WTTスターコンテンダーゴアでは優勝を飾りました。

さらに、同年5月の世界選手権では準々決勝で張本智和との激闘を制して銅メダルを獲得し、復活を印象付けました。

梁靖崑のプレースタイル

梁靖崑の戦型は、右シェーク裏裏ドライブ型です。ガッチリした体躯から放たれる威力十分のフォアドライブが一番の武器の選手です。フォア対フォアの引き合いに持ち込み得点を重ねていきます。バックは、もちろんパワーを生かした中陣からのバックドライブも魅力の選手ですが、注目すべきはブロック力です。打たれたボールに対ししっかり正面に入ることで正確にブロックしています。

サーブは下回転や順横回転サーブ以外にもYGサーブを多用します。サーブの立ち位置もバック側やミドル側と変えることで相手のレシーブの角度を狂わせます。レシーブでは積極的にチキータを放ち、上回転のラリーを好む傾向にあります。

先輩の中国選手を倒すこともあれば、世界ランキング下位の海外選手に負けるなど好不調の波が激しい印象でしたが、最近では格下相手に取りこぼしをしない安定感を見せています。

梁靖崑の使用用具

ヤサカの契約選手である梁靖崑は、ラケットはヤサカの『アルネイド』、ラバーは両面に紅双喜の『キョウヒョウ NEO 3』を使用しているようです。

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梁靖崑の世界ランキング

梁靖崑の世界ランキングは3位(2024年6月)で、最高ランキングは3位(2022年5月)です。

梁靖崑の世界ランキングは2014年の1月時点で101位でした。ジュニアで成績を残し始め12月時点で48位、2015年12月時点で30位ジャンプアップをしていきます。2018年のランキング方式変更で125位までランキングを下げましたが、2019年5月に6位まで順位を上げ、2022年5月には自己最高の3位までラックアップしました。

梁靖崑の主な成績

2013年 アジアジュニア選手権 男子シングルス:優勝
2018年 全中国選手権 男子シングルス:優勝
オーストリアオープン 男子シングルス:優勝
2019年 世界選手権ブダペスト大会 男子シングルス:銅メダル、男子ダブルス:銅メダル
香港オープン 男子ダブルス:優勝
アジア選手権 男子ダブルス:金メダル
チームワールドカップ 男子団体:優勝
2021年 WTTコンテンダーラシュコ 男子シングルス:優勝、男子ダブルス:ベスト4(ペア:王楚欽)、混合ダブルス:準優勝(ペア:劉煒珊)
WTTコンテンダーノヴォ・メスト 男子シングルス:優勝、男子ダブルス:準優勝(ペア:王楚欽)
世界選手権ヒューストン大会 男子シングルス:銅メダル、男子ダブルス:銅メダル(ペア:林高遠)
2022年 WTTシンガポールスマッシュ 男子シングルス:ベスト4
WTTスターコンテンダーブダペスト 男子シングルス:ベスト4
WTTコンテンダーマスカット 男子シングルス:優勝
世界選手権成都大会 男子団体:金メダル
2023年 WTTチャンピオンズ新郷 男子シングルス:準優勝
WTTスターコンテンダーゴア 男子シングルス:優勝
世界選手権ダーバン大会 男子シングルス:銅メダル
WTTスターコンテンダーリュブリャナ 混合ダブルス:準優勝(ペア:銭天一)
アジア選手権 男子シングルス:銅メダル、混合ダブルス:銀メダル(ペア:銭天一)、男子団体:金メダル
杭州アジア競技大会 男子団体:金メダル
WTTコンテンダー太原 男子シングルス:優勝、男子ダブルス:準優勝(ペア:王楚欽)、混合ダブルス:ベスト4(ペア:銭天一)
2024年 WTTスターコンテンダードーハ 男子シングルス:ベスト4、男子ダブルス:優勝(ペア:袁励岑)
世界選手権釜山大会 男子団体:金メダル
WTTシンガポールスマッシュ 男子シングルス:準優勝
WTTチャンピオンズ仁川 男子シングルス:優勝
WTTコンテンダー太原 男子シングルス:優勝、男子ダブルス:準優勝(ペア:王楚欽)

まとめ

ジュニア時代から見られた大器の片鱗を近年見せ始めた梁靖崑。馬龍や樊振東、許昕などと東京五輪の出場権をかけ熾烈な争いをしており、彼ら以上の結果が求められる。今後日本にとって脅威になるのは間違いない選手です。

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