文:ラリーズ編集部
20歳ながらすでに世界トップ選手にまで登りつめた中国の孫穎莎(スンイーシャ)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、世界ランキングを上げる要因となっている国際大会での戦績についても触れます。
伊藤美誠らと並び、世界中からその活躍に注目を浴びている中国期待の若手・孫穎莎。まだまだその実力は計り知れません。今回は、そんな孫穎莎のプロフィールを見ていきましょう。
孫穎莎とは?
孫穎莎は中国の選手で、卓球黄金世代と呼ばれる日本の伊藤美誠や平野美宇、早田ひなと同世代の選手です。2017年に行われた世界ジュニア選手権では、女子シングルスと女子団体で優勝を飾り、2冠を達成しています。また、一般の部では2017年のジャパンオープンでITTFワールドツアー初優勝を果たすと、徐々に頭角を表しました。
2019年には、3つのワールドツアーとアジア選手権の計4つの大会で優勝をしており、19歳ながら中国の中心選手になっています。東京で行われたチームワールドカップ決勝では、伊藤美誠に0-2とリードされるも2-2まで追いつき、第5ゲームも7-10とマッチポイントを握られるも大逆転勝利を遂げた選手でもあります。
強豪・中国の新星として頭角を表している孫穎莎のプロフィールを見ていきましょう。
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プロフィール
孫穎莎は、2000年11月4日生まれの20歳(2019年11月時点)です。日本で卓球黄金世代と呼ばれている伊藤美誠、平野美宇らと同じ2000年生まれの選手です。中国の河北省・石家庄市の出身で、卓球を始めたのは5歳のときでした。10歳のときから河北省チームで練習するようになります。2015年に全中国少年選手権で優勝すると国家2軍チームに加入し、2017年に行われた入れ替えリーグ戦を勝ち抜き、1軍チームにまで登りつめました。
写真:孫穎莎(中国)/提供:ittfworld
2019年には3つのワールドツアーで優勝するなどの活躍を見せ、世界のトップ選手に成長していきました。さらに、2021年には東京五輪のシングルス代表にも抜擢されました。
プレースタイル
孫穎莎の戦型は、右シェーク裏裏ドライブ型です。軽快なフットワークから繰り出される両ハンドの攻撃には目を見張るものがあります。また、早い打球点で攻撃できるため、相手がボールに反応できずにノータッチでラリーが終わる場面がよく見られます。
写真:孫穎莎(スンイーシャ)/提供:ittfworld
精神的にも強いと言えるでしょう。韓国オープン準々決勝で石川佳純にマッチポイントを握られた場面で、孫穎莎は臆することなく石川の3球目攻撃をストレートにカウンターして得点しました。また、チームワールドカップ決勝で伊藤美誠にマッチポイントを握られている場面でも、思い切ってフォア側に回り込んでストレートに強烈なレシーブをするなど、追い込まれた場面でも要所で強気のプレーができるところも孫穎莎の強みであるといえるでしょう。
使用用具
孫穎莎の使用用具は、ラケットはSTIGAの「カーボネード45」を使用しており、ラバーはフォア面に紅双喜の「キョウヒョウ3(ブルースポンジ)」、バック面に紅双喜の「キョウヒョウ3」を使用しているそうです。
中国の選手は、以前はフォア面に粘着ラバーを、バック面にテンションラバーを使用するのが主流でしたが、最近では、両面に粘着ラバーを使用する選手も増えています。
世界ランキング
2017年1月時点では82位でその後は一時世界ランキングから外れるも、その年のジャパンオープンでワールドツアー初出場での初優勝を皮切りに、2017年7月発表の世界ランキングで10位に突如ランクインしました。2018年には、52位まで世界ランキングが下がりますが、2019年に一気にランキングを上げ、2019年12月には自己最高となる2位まで上り詰めました。
孫穎莎の現在の世界ランキングは2位(2021年4月時点)です。
国際大会での主な戦績
2017年 | ジャパンオープン | シングルス優勝 |
世界ジュニア選手権 | シングルス優勝 | |
2019年 | 世界選手権 | ダブルス優勝(王曼昱ペア) |
ジャパンオープン | シングルス優勝 | |
オーストラリアオープン | シングルス優勝 | |
アジア選手権 | シングルス優勝 | |
ドイツオープン | シングルス優勝 |
まとめ
弱冠20歳ながら、すでに中国の主力として君臨する孫穎莎。日本の伊藤美誠や平野美宇、早田ひなと同じ世代でありこれからも日本の前に立ちはだかるライバルになることが予想されます。東京五輪のシングルス代表にも選ばれた彼女が今後どのような活躍を見せてくれるのか、期待が高まります。