文:ラリーズ編集部
今回は、Tリーグ・木下アビエル神奈川に所属し、目まぐるしい成長を遂げている張本美和を紹介します。プロフィール、プレースタイル、使用道具など基本的な情報から、国内外の大会の戦績についても触れます。
このページの目次
張本美和とは?
張本美和は、男子シングルスにおいて日本人で最も世界ランキングの高い張本智和の妹です。すでにシニアのカテゴリーでも試合をこなしており、全日本の一般の部でも勝利を収めました。兄妹でのオリンピック金メダル獲得を目指す期待の新星です。
張本美和のプロフィール
張本美和(はりもとみわ)は2008年6月16日生まれの16歳(2024年7月時点)で、宮城県仙台市出身です。兄は東京五輪日本代表の張本智和で、両親も元卓球選手です。
2歳から卓球を始めると、2015年の小学校1年時に行われた全日本卓球選手権大会バンビの部で優勝します。しかし、2016年と2017年の同大会では惜しくも準優勝に終わります。
2018年に1つ上のカテゴリーであるカブの部において見事優勝し、雪辱を果たしました。
写真:2020年全日本選手権の張本美和/撮影:ラリーズ編集部
2018年には、同年開幕したTリーグに木下アビエル神奈川から小学校4年生の10歳で参戦。2019年2月2日に地元・仙台で行われた日本生命レッドエルフ戦で最年少でのTリーグデビューを果たします。
2019年1月に行われた全日本選手権において、一般の部に参戦し、3回戦で敗退するものの、高校生を相手に2勝をおさめ、レベルの高さを見せました。同年6月16日の誕生日にITTFジュニアサーキット中国オープンカデット女子シングルスで準優勝に輝いています。
写真:張本美和/撮影:ラリーズ編集部
2020年のジュニアサーキット・チェコオープンでは、ジュニア女子シングルス・カデット女子シングルス・カデット女子ダブルスで3冠を達成し、早くも世界トップレベルの実力をつけてきています。
2021年には、中学1年生にして全中優勝を果たしました。Tリーグ・4thシーズンにも出場しており、9月には森さくらに勝利し、Tリーグシングルス初勝利を果たしました。
2022年には国際大会に積極的に参加するようになります。ジュニア世代の大会では3大会で優勝し、シニアの大会でもWTTコンテンダーチュニス女子シングルス準優勝を飾るなど、一気に飛躍を遂げ、世界ランキングもトップ50入りを果たします。
そして、同年12月に開催された世界ユース選手権では女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルス、女子団体の4種目すべてでメダルを獲得する快挙を成し遂げ、ジュニア世代では敵なしと言っても過言ではないくらい力をつけました。
写真:2023年全日本選手権ジュニア女子シングルスで優勝した張本美和/撮影:ラリーズ編集部
2023年に入ると、その勢いはますます加速します。1月の全日本選手権ではジュニアの部で悲願の初優勝を飾ると、女子シングルスでもベスト16まで勝ち進み、14歳でランク入りという偉業を成し遂げます。
そして国際大会では、WTTフィーダーアンタルヤで自身初のシニア国際大会シングルス優勝を飾ると、WTTコンテンダーチュニスでも優勝。世界ランキングも自己最高位となる19位まで上げ、大きくステップアップを見せました。
写真:張本美和(木下アカデミー)/提供:アフロスポーツ
同年9月に開催された杭州アジア競技大会には、自身初となるシニアの日本代表選手として参加。女子団体で4試合に出場して銀メダル獲得に貢献すると、木原美悠との女子ダブルスでも孫頴莎(スンイーシャ)/王曼昱(ワンマンユ・中国)ペアを破る金星を挙げて、銅メダルを獲得。日本代表デビューとなった試合で、確かな爪痕を残しました。
また、同年末に開催されたWTT女子ファイナルズ名古屋では、世界ランキング1位(当時)の孫頴莎とフルゲームの熱戦を演じ、大きな注目を浴びました。
張本美和のSNS
WTTフィーダーアンタルヤ🇹🇷
シングルスダブルス共に優勝することができました🥳
本当に嬉しくて胸がいっぱいです!
この結果をまだ信じられないですが
次はタイのスターコンテンダーまで
また心をリセットして頑張ります💪お父さん薛さんありがとう🤩
安藤さんダブルスありがとうございました
🙇♀️ pic.twitter.com/3ifJwOEQmF— 張本美和 (@harimotomiwa) April 2, 2023
張本美和のプレースタイル
張本美和のプレースタイルは、攻撃的なスタイルが持ち味の右シェーク裏裏ドライブ型です。両ハンドドライブが特徴的で特にバックハンドは兄と遜色ない威力と精度を誇るといわれています。
特に前陣においては同世代の女子選手の中では指折りの強さと安定感を持ち、その威力で相手選手が中陣に下げられてしまうほどです。高校生や一般の選手に対してもラリーではしばしば優位に立つことが多く、その精度は上がっていくばかりです。
張本美和の使用道具
張本美和はバタフライの契約選手で、ラケットは兄・智和の使用モデルであるバタフライの『張本智和インナーフォースALC』、ラバーは両面にバタフライの『ディグニクス05』を使用しています。
>>【張本智和 使用ラケットをレビュー】張本智和 インナーフォース ALCの特徴とは?
>>【卓球】ディグニクス05の特徴を徹底解説! 寿命やテナジーとの比較も
張本美和の世界ランキング
張本美和の世界ランキングは7位(2024年7月時点)で、最高ランキングは7位(2024年7月)です。
張本美和の国内大会での主な戦績
2014年 | 全日本選手権(バンビの部) | 女子シングルス:ベスト4 |
2015年 | 全日本選手権(バンビの部) | 女子シングルス:優勝 |
2016年 | 全日本選手権(バンビの部) | 女子シングルス:準優勝 |
2017年 | 全日本選手権(バンビの部) | 女子シングルス:準優勝 |
2018年 | 全日本選手権(カブの部) | 女子シングルス:優勝 |
2019年 | 全日本選手権(ホープスの部) | 女子シングルス:優勝 |
2021年 | 全中 | 女子シングルス:優勝 |
2022年 | 全日本手権 | 混合ダブルス:3位、ジュニア女子シングルス:準優勝 |
全日本手権(カデットの部) | 14歳以下女子シングルス:優勝、女子ダブルス:優勝 | |
2023年 | 全日本手権 | 女子シングルス:ベスト16、ジュニア女子シングルス:優勝 |
TOP32平塚大会 | 女子シングルス:準優勝 | |
2024年 | 全日本手権 | 女子シングルス:準優勝、ジュニア女子シングルス:優勝 |
張本美和の国際大会での主な戦績
2018年 | ジュニアサーキット中国オープン | カデット女子団体:ベスト4、ミニカデット女子シングルス:優勝 |
2019年 | ジュニアサーキットチェコオープン | カデット女子ダブルス:優勝、カデット女子シングルス:準優勝 |
ジュニアサーキットスウェーデンオープン | ジュニア女子シングルス:ベスト8、カデット女子シングルス:ベスト4、ミニカデット女子シングルス:優勝 | |
ジュニアサーキット中国オープン | カデット女子団体:準優勝、カデット女子シングルス:準優勝、ミニカデット女子シングルス:ベスト4 | |
2020年 | ジュニアサーキットチェコオープン | ジュニア女子シングルス:優勝、カデット女子シングルス:優勝、カデット女子ダブルス:優勝 |
2022年 | WTTコンテンダーチュニス | 女子シングルス:準優勝 |
WTTフィーダーデュッセルドルフⅢ | 女子シングルス:ベスト4 | |
WTTユースコンテンダーベルリン | U19女子シングルス:優勝 | |
WTTユースコンテンダープラジャダロ | U19女子シングルス:優勝 | |
WTTユーススターコンテンダードーハ | U19女子シングルス:優勝 | |
世界ユース選手権 | U19女子シングルス:銀メダル、U19女子ダブルス:金メダル(ペア:木原美悠)、U19混合ダブルス:金メダル(ペア:マチェイ・クビク)、U19女子団体:銅メダル/td> | |
2023年 | WTTフィーダーアンタルヤ | 女子シングルス:優勝、女子ダブルス:優勝(ペア:安藤みなみ) |
WTTスターコンテンダーゴア | 女子シングルス:ベスト4、女子ダブルス:優勝(ペア:平野美宇)、混合ダブルス:準優勝(ペア:戸上隼輔) | |
WTTスターコンテンダーバンコク | 混合ダブルス:ベスト4(ペア:戸上隼輔) | |
WTTコンテンダーチュニス | 女子シングルス:優勝、女子ダブルス:準優勝(ペア:木原美悠) | |
杭州アジア競技大会 | 女子ダブルス:銅メダル(ペア:木原美悠)、女子団体:銀メダル | |
WTTコンテンダーリマ | 女子シングルス:ベスト4 | |
WTTコンテンダーマスカット | 女子シングルス:ベスト4、混合ダブルス:準優勝(ペア:松島輝空) | |
WTTコンテンダーアンタルヤ | 女子シングルス:ベスト4 | |
混合ワールドカップ | 混合団体:3位 | |
2024年 | ワールドカップ | 女子シングルス:ベスト4 |
WTTコンテンダーザグレブ | 女子シングルス:準優勝 | |
WTTスターコンテンダーリュブリャナ | 女子シングルス:ベスト4 | |
WTTコンテンダーチュニス | 女子シングルス:優勝 |
まとめ
努力を積み重ね、速くそして異質のキャリアを築く張本美和。15歳にして、驚くべき実績を残しており、これからの伸びしろを我々に感じさせてくれる若き超新星・張本美和に大注目です。
張本美和以外の日本選手のプロフィールはこちら
男子選手
張本智和/宇田幸矢/丹羽孝希/及川瑞基/吉田雅己/木造勇人/森薗政崇/吉村和弘/吉村真晴/戸上隼輔/大島祐哉/上田仁/神巧也/松平健太/村松雄斗/松島輝空/英田理志/曽根翔/篠塚大登/吉山僚一/鈴木颯/田中佑汰/横谷晟/松下大星/龍崎東寅/松山祐季/田添健汰/有延大夢/高見真己/岸川聖也/田添響/町飛鳥/三部航平/谷垣佑真/濵田一輝/宮川昌大/柏竹琉/大矢英俊/郡山北斗/藤村友也/五十嵐史弥/野田颯太/渡部民人/吉山和希/松平賢二/高木和卓/萩原啓至/小西海偉/坪井勇磨/水谷隼/平野友樹
女子選手
長﨑美柚/伊藤美誠/早田ひな/木原美悠/平野美宇/佐藤瞳/加藤美優/小塩遥菜/安藤みなみ/芝田沙季/橋本帆乃香/南波侑里香/森さくら/成本綾海/松平志穂/鈴木李茄/森薗美咲/塩見真希/大藤沙月/野村萌/森薗美月/皆川優香/相馬夢乃/木村香純/梅村優香/赤江夏星/出澤杏佳/麻生麗名/永尾尭子/横井咲桜/白山亜美/大川真実/面田采巳/杉田陽南/三村優果/枝廣瞳/鶴岡菜月/岡田琴菜/笹尾明日香/面手凛/小塩悠菜/平野早矢香/若宮三紗子/石川佳純/四元奈生美/打浪優/前田美優/石垣優香/谷岡あゆか/山本笙子/井林茉里奈