今回は、先日のオマーンオープンで世界最長の試合を記録、日本最強のカットマンの佐藤瞳(ミキハウス)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
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佐藤瞳とは?
佐藤瞳は、主に橋本帆乃香(ミキハウス)と組んだダブルスで数々の国際大会で入賞しています。また、シングルスでもリオ五輪女王・丁寧(ディンニン・中国)に勝利するなど今最も勢いのある選手の1人です。その技術の高さから「日本最強のカットマン」と言われています。
プロフィール
佐藤瞳は、1997年12月23日生まれの22歳(2020年3月時点)です。北海道出身で、小学校2年生の時に卓球を始めました。現在はミキハウスに所属して、日々自分の技術に磨きをかけています。国際大会では、同じくミキハウスに所属する橋本と組む機会が多いですが、その他にも芝田沙季(ミキハウス)と組んだ時にも結果を残しています。
世界選手権にも何度も出場し、2020年の同大会も予選を勝ち抜いて団体メンバーに登録されています。
プレースタイル
佐藤瞳の戦型は右シェーク裏表のカット型で、後陣での幅の広い守備と隙を突く攻撃が特徴です。
また、カットやツッツキの技術が高いため、「エンドレスリターン」と言われるほどラリーが続く選手です。その異名の如く、2020年のオマーンオープン女子シングルス決勝では加藤美優(日本ペイントホールディングス)相手に、1時間38分という長時間の試合を制したことがあり、卓球史上最も長い試合の記録を打ち立てました。
カットマンにも大きく2種類の戦い方があります。1つは隙あれば攻撃を行う攻撃型で、現在Tリーグ・琉球アスティーダに所属する朱世赫(チュセヒョク・韓国)が代表例と言えます。もう1つは、自分が余裕をもって攻撃できるまで粘る守備型で、佐藤や芝田がこれにあたります。
攻撃型には攻撃に転じるためにカットが必要であるのに対し、守備型はカットそのもので相手のレシーブミスを誘うのが基本的な戦い方となるため、守備型にはカットの質が求められます。尚、カットの攻撃型には普通の攻撃型の選手と対等以上に打ち合える攻撃力が求められます。
佐藤はカットの質を高めるため、1日に何時間もカットの練習をし続けています。その成果がオマーンオープンで発揮されたと言えます。
使用用具
佐藤瞳はNittakuの契約選手であり、ラケットが「剛力男子」、ラバーはフォア面に裏ソフトで粘着性の「キョウヒョウ」シリーズ、バック面に変化型の表ソフト「ドナックル」を使用しています。この「ドナックル」は表ソフトでありながら、粒高ラバーのような形状になっているため、カットの際に変化がつけやすいラバーと言えます。
世界ランキング
佐藤瞳の世界ランキングは18位(2020年3月時点)です。シニアの世界ランキング登録時から既に3桁上位のランクであり、その後も順調に上昇を続け、近年は50位以上をキープし続けています。最高ランクは2017年4月の9位です。2020年3月現在は日本人選手の中で4番目に位置しています。
国内大会での主な成績
2018年 | 全日本選手権 | 女子ダブルス3位(橋本帆乃香と) |
2019年 | 全日本選手権 | 女子ダブルス3位(橋本帆乃香と) |
国際大会での主な成績
2017年 | アジア選手権 | 女子団体準優勝、女子ダブルス3位 |
スロベニアオープン | 女子シングルス優勝、女子ダブルス3位 | |
クロアチアオープン | 女子ダブルス優勝 | |
ベルギーオープン | 女子ダブルス優勝 | |
2018年 | スペインオープン | 女子シングルス準優勝、女子ダブルス優勝 |
クロアチアオープン | 女子シングルス3位、女子ダブルス優勝 | |
香港オープン | U21女子シングルス3位 | |
オーストラリアオープン | 女子ダブルス準優勝 | |
2019年 | タイオープン | 女子シングルス優勝、女子ダブルス3位 |
世界選手権 | 女子ダブルス3位 | |
アジア選手権 | 女子団体準優勝、女子ダブルス3位 | |
ノースアメリカンオープン | 女子シングルス3位、女子ダブルス優勝 | |
2020年 | オマーンオープン | 女子シングルス優勝、女子ダブルス優勝 |
まとめ
エンドレスリターンで観客を沸かす日本最強のカットマンが国際大会で獲得なるか。今後の彼女のプレーに目が離せません。