文:ラリーズ編集部
今回は、2020年のオマーンオープンで世界最長の試合を記録し、日本最強のカットマンとも言われているの佐藤瞳(ミキハウス)を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
2019年には世界選手権のダブルスで銅メダルを獲得するなど、多くの大会で好成績を残している佐藤瞳のプロフィールを見ていきましょう。
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このページの目次
佐藤瞳とは?
佐藤瞳は、主に橋本帆乃香(ミキハウス)と組んだダブルスで数々の国際大会で入賞しています。また、シングルスでも2019年のグランドファイナルではリオ五輪女王・丁寧(ディンニン・中国)に勝利するなどの活躍を見せており、今最も勢いのある選手の1人です。その技術の高さから「日本最強のカットマン」と言われています。
2021年には、卓球Tリーグ女子の新球団・九州アスティーダからTリーグにも出場することが決まっています。
他にも数々の大会で好成績を残している佐藤瞳のプロフィールを見ていきましょう。
佐藤瞳のプロフィール
佐藤瞳(さとうひとみ)は、1997年12月23日生まれの24歳(2022年12月時点)です。北海道函館市出身で、小学校2年生時に南茅部卓球少年団で卓球を始めました。小学6年で全日本ホープスで準優勝を果たして頭角を現すと、中学は地元の尾札部中に進学。全日本カデット3位や全中女子シングルス優勝など実績を残し、高校も北海道の札幌大谷高校に進学します。
写真:佐藤瞳/提供:ittfworld
高校進学後も2013年に1年生ながらインターハイ女子シングルス準優勝と力を見せ、この頃から国際大会にも出場をするようになります。高校2年生となった2014年には、韓国オープン、スウェーデンオープンのU21女子シングルス優勝を果たすと、同年の世界ジュニア選手権にも日本代表として出場。女子団体準優勝に貢献しました。
2015年には全日本選手権で自身初の女子シングルスベスト8入りを果たし、順風満帆な選手生活を送りますが、高校最後のインターハイは怪我に苦しみ、インハイ優勝は叶いませんでした。
高校卒業後は、数多くのトップ選手を輩出した名門・ミキハウスに入社。社会人となって以降も、国内・国際大会の両方でで活躍します。
写真:佐藤瞳/提供:ittfworld
世界選手権にも何度も出場し、2019年にはダブルスで銅メダルを獲得しました。
近年ではシングルスでも活躍しており、2019年のタイオープンで優勝などの実績を残しています。また、2020年のオマーンオープンのシングルス決勝の加藤美優(日本ペイントホールディングス)との試合では、世界最長試合記録を更新する長期戦に勝利し、優勝を飾りました。
写真:佐藤瞳/撮影:ラリーズ編集部
2021-2022シーズン(4thシーズン)からはTリーグに参戦し、九州アスティーダに所属。シングルス6勝2敗、ダブルス10勝4敗の成績を残し、チームのプレーオフセミファイナル進出の原動力となりました。2022-2023シーズンは日本ペイントマレッツに移籍し、変わらずチームの主力として活躍しています。
佐藤瞳のプレースタイル
佐藤瞳の戦型は右シェーク裏表のカット型で、後陣での幅の広い守備と隙を突く攻撃が特徴です。
また、カットやツッツキの技術が高いため、「エンドレスリターン」と言われるほどラリーが続く選手です。その異名の如く、2020年のオマーンオープン女子シングルス決勝では加藤美優(日本ペイントホールディングス)相手に、1時間38分という長時間の試合を制したことがあり、卓球史上最も長い試合の記録を打ち立てました。
写真:佐藤瞳/提供:ittfworld
カットマンにも大きく2種類の戦い方があります。1つは隙あれば攻撃を行う攻撃型で、朱世赫(チュセヒョク・韓国)が代表例と言えます。もう1つは、自分が余裕をもって攻撃できるまで粘る守備型で、佐藤や橋本がこれにあたります。
攻撃型には攻撃に転じるためにカットが必要であるのに対し、守備型はカットそのもので相手のレシーブミスを誘うのが基本的な戦い方となるため、守備型にはカットの質が求められます。尚、カットの攻撃型には普通の攻撃型の選手と対等以上に打ち合える攻撃力が求められます。
佐藤はカットの質を高めるため、1日に何時間もカットの練習をし続けています。その成果がオマーンオープンで発揮されたと言えます。
佐藤瞳の使用用具
佐藤瞳はニッタクの契約選手であり、ラケットが「剛力男子」、ラバーはフォア面に「狂飈NEO3」、バック面に「ドナックル」を使用しています。
この「ドナックル」は表ソフトでありながら、粒高ラバーのような形状になっているため、カットの際に変化がつけやすいラバーと言えます。
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佐藤瞳の世界ランキング
佐藤瞳の世界ランキングは71位(2022年12月時点)です。シニアの世界ランキング登録時から既に3桁上位のランクであり、その後も順調に上昇を続けています。最高ランクは2017年4月の9位です。
佐藤瞳の国内大会での主な成績
2009年 | 全日本選手権(ホープスの部) | 女子シングルス:準優勝 |
2011年 | 全日本選手権(カデットの部) | 14歳以下女子シングルス:3位 |
2012年 | 全中 | 女子シングルス:優勝 |
2013年 | インターハイ | 女子シングルス:準優勝 |
2014年 | 全日本選手権 | ジュニア女子シングルス:ベスト8 |
2015年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト8 |
2017年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト4 |
2018年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト8、女子ダブルス:ベスト4 |
2019年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト8、女子ダブルス:ベスト4 |
2020年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト8 |
2021年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト8 |
日本リーグビッグトーナメント | 女子シングルス:優勝 | |
2022年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト8 |
TOP32東京大会 | 女子シングルス:ベスト4 |
佐藤瞳の国際大会での主な成績
2013年 | タイジュニア&カデットオープン | ジュニア女子シングルス:優勝 |
アジアジュニア選手権 | 女子ダブルス:準優勝 | |
2014年 | 韓国オープン | U21女子シングルス:優勝 |
スウェーデンオープン | U21女子シングルス:優勝 | |
世界ジュニア選手権 | 女子団体:準優勝 | |
2015年 | 韓国オープン | 女子ダブルス:準優勝 |
クロアチアオープン | 女子シングルス:優勝 | |
オーストラリアオープン | 女子ダブルス:優勝 | |
ベラルーシオープン | 女子ダブルス:優勝 | |
オーストリアオープン | 女子ダブルス:優勝 | |
2017年 | アジア選手権 | 女子団体:準優勝、女子ダブルス:ベスト4 |
2018年 | スペインオープン | 女子シングルス:準優勝、女子ダブルス:優勝 |
2019年 | タイオープン | 女子シングルス:優勝、女子ダブルス:3位 |
世界選手権ブダペスト大会 | 女子ダブルス:ベスト4 | |
アジア選手権 | 女子団体:準優勝、女子ダブルス:ベスト4 | |
ノースアメリカンオープン | 女子シングルス:3位、女子ダブルス:優勝 | |
2020年 | オマーンオープン | 女子シングルス:優勝、女子ダブルス:優勝 |
2021年 | WTTカップファイナル | 女子シングルス:ベスト8 |
2022年 | 世界選手権成都大会 | 女子団体:準優勝 |
まとめ
エンドレスリターンで観客を沸かす日本最強のカットマンが国際大会で獲得なるか。今後の彼女のプレーに目が離せません。