文:ラリーズ編集部
今回は、2020、2021年の全日本ジュニア王者の大藤沙月を紹介します。プロフィール、プレースタイル、使用用具などの基本的な情報から世界ランキングを上げる要因にもなっている国際大会での戦績についても触れます。
このページの目次
大藤沙月とは?
写真:大藤沙月/撮影:ラリーズ編集部
大藤沙月は幼少期から全日本のバンビやカデットの部で活躍しています。また、2019年の全日本選手権女子ダブルスで芝田沙季とペアを組み準優勝、2020年のスペインオープンでダブルス優勝など国内外で好成績を残しています。2021年のインターハイではシングルス準優勝するなどの活躍を見せており、Tリーグ参戦も決まっています。
大藤沙月のプロフィール
大藤沙月(おおどうさつき)は2004年5月16日生まれの19歳(2023年6月時点)で、福井県出身です。クラブチームのコーチをしている父の影響で保育園のときから卓球を始め、小学校に入ると朝早くから家のリビングにある卓球台でも指導を受けていました。
幼少期は福井の名門・フェニックス卓球クラブに所属し、2012年全日本選手権バンビの部、2015年全日本選手権カデットの部で準優勝などの好成績を残しており、全国レベルの選手として活躍しました。
写真:大藤沙月/提供:ittfworld
小学校を卒業後は地元の福井を離れ、名門・四天王寺中学校に進学。ミキハウスJSCの卓球部に所属します。2017年の全中で女子団体優勝を飾ると、翌年の全中では女子団体、女子シングルスの2冠を達成しました。また、2018には世界ジュニア選手権の日本代表に選ばれるなど国際大会にも出場を始めます。
写真:大藤沙月(写真右)と芝田沙季/撮影:ラリーズ編集部
2019年には中学生ながら全日本選手権女子ダブルス準優勝、ジュニア女子シングルス準優勝を果たし、一気にブレイクを果たします。同年の全中ではシングルス優勝を逃したものの団体で優勝し、女子団体3連覇を達成。そして、2020年1月に開催された全日本選手権では、中学3年生でジュニア女子シングルス優勝、女子ダブルス2年連続準優勝の快挙を成し遂げました。
このままトップ選手の階段を順調に登っていくかに見えた大藤ですが、新型コロナウイルスの流行で国内外の大会が軒並み中止となり、試合出場の機会を失います。高校は四天王寺高校に進学し、2020年は1年生でのインターハイ優勝も狙っていましたがインターハイも中止となってしまいました。
写真:大藤沙月/撮影:ラリーズ編集部
それでも、2021年に開催された全日本選手権ではジュニア女子シングルスで優勝して大会2連覇を達成。中学時代と変わらない強さを見せると、3月に開催されたWTTスターコンテンダードーハでは、リオ五輪銀メダリストのシャン・シャオナ(ドイツ)に勝利するなど、国際大会でも活躍を見せます。
写真:2021年インターハイ女子ダブルス優勝を飾った横井咲桜と大藤沙月/撮影:ラリーズ編集部
そして、2021年には念願のインターハイに出場。女子シングルスでは横井咲桜との同士討ちに敗れて準優勝になりましたが、女子ダブルスと女子学校対抗を制し、2冠を獲得しました。
写真:大藤沙月/撮影:ラリーズ編集部
また、大藤は2021-2022シーズンからTリーグにも参戦。日本ペイントマレッツに加入し、シングルス13勝4敗という圧巻の成績を残し、チームを悲願のファイナル進出に導く原動力となりました。
このように好調を維持していた大藤ですが、2022年の全日本選手権では3連覇が期待されていたジュニア女子シングルスを無念の棄権。悔しい思いを味わうも、女子シングルスでは自己最高のベスト8入りを果たし、高校生活最後の1年で好スタートを切ります。
写真:2022年インターハイ女子シングルスで準優勝に終わった大藤沙月/撮影:ラリーズ編集部
そして、満を持して臨んだ高校最後のインターハイでは女子学校対抗、女子ダブルスと順調に優勝を飾り、女子シングルスでも決勝に進出します。しかし、決勝では同大会で快進撃を見せていた赤江夏星に惜敗し、準優勝。結局、3年間でインターハイシングルスのタイトルを獲得することは叶いませんでした。
高校卒業後の2023年にはミキハウスに入社し、プロ卓球選手としてのキャリアをいスタートさせました。
大藤沙月のプレースタイル
大藤沙月の戦型は右シェーク裏裏ドライブ型で、天性のボールタッチと威力のある両ハンドドライブを武器としています。高い攻撃力があり、カットマンに強いという特徴も持っています。
大藤沙月の使用用具
ニッタクの契約選手である大藤沙月は、ラケットはバタフライの『張本智和インナーフォースALC』、ラバーはフォア面が紅双喜の『キョウヒョウ3国狂ブルー』、バック面がバタフライの『ディグニクス05』を使用しているようです。
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大藤沙月の世界ランキング
大藤沙月の世界ランキングは2018年1月時点で283位だったものの、国際大会で格上の選手に勝利するなど好成績を残し、同年4月に137位と、短い期間で一気にランキングを上げました。その後も急成長を続け、同年8月には自己最高位である54位になりました。
2023年6月時点では、世界ランキングは持っていません。
大藤沙月の国内大会での主な戦績
2012年 | 全日本選手権(バンビの部) | 女子シングルス:準優勝 |
2014年 | 全日本選手権(カブの部) | 女子シングルス:ベスト4 |
2015年 | 全日本選手権(カデットの部) | 13歳以下女子シングルス:準優勝 |
全日本選手権(ホープスの部) | 女子シングルス:ベスト4 | |
2016年 | 全日本選手権(カデットの部) | 女子ダブルス:ベスト4 |
全日本選手権(カブの部) | 女子シングルス:準優勝 | |
2017年 | 全日本選手権(カデットの部) | 13歳以下女子シングルス:優勝、女子ダブルス:優勝 |
全中 | 女子団体:優勝 | |
2018年 | 全日本選手権 | ジュニアシングルス:3位 |
全中 | 女子シングルス:優勝、女子団体:優勝 | |
2019年 | 全日本選手権 | 女子ダブルス:準優勝、ジュニア女子シングルス:準優勝 |
全中 | 女子シングルス:ベスト4、女子団体:優勝 | |
2020年 | 全日本選手権 | 女子ダブルス:準優勝、ジュニア女子シングルス:優勝 |
2021年 | 全日本選手権 | ジュニア女子シングルス:優勝 |
インターハイ | 女子シングルス:準優勝、女子ダブルス:優勝、女子学校対抗:優勝 | |
2022年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト8 |
インターハイ | 女子シングルス:準優勝、女子ダブルス:優勝、女子学校対抗:優勝 | |
2023年 | 全日本選手権 | 女子シングルス:ベスト16、女子ダブルス:3位 |
大藤沙月の国際大会での主な戦績
2017年 | ジュニアサーキットフランスオープン | カデット女子シングルス:優勝 |
ジュニアサーキットスペインオープン | ジュニア女子シングルス:ベスト4 | |
ジュニアサーキットポーランドオープン | カデット女子シングルス:優勝 | |
2018年 | 世界ジュニア選手権 | 女子ダブルス:銅メダル、女子団体:銀メダル |
2019年 | 中国オープン | 女子ダブルス:ベスト4 |
ベラルーシオープン | 女子ダブルス:優勝 | |
クロアチアオープン | 女子シングルス:ベスト4 | |
2020年 | スペインオープン | 女子ダブルス:優勝 |
ポルトガルオープン | 女子ダブルス:優勝 |
まとめ
幼少期から全日本選手権などで好成績を残し、現在は国際大会でも活躍し始めている大藤沙月。インターハイでも活躍し、同世代ではトップレベルの実力を示しました。しかしまだ18歳と若く、実力が計り知れないので、これからの成長が楽しみな選手です。そんな大藤沙月の活躍に今後も目が離せません。
大藤沙月以外の日本選手のプロフィールはこちら
男子選手
宇田幸矢/水谷隼/丹羽孝希/及川瑞基/吉田雅己/木造勇人/森薗政崇/吉村和弘/吉村真晴/戸上隼輔/大島祐哉/上田仁/神巧也/松平健太/村松雄斗/松島輝空/英田理志/曽根翔/篠塚大登/吉山僚一/鈴木颯/田中佑汰/横谷晟/松下大星/龍崎東寅/松山祐季/田添健汰/平野友樹/有延大夢/高見真己/岸川聖也/田添響/町飛鳥/三部航平/谷垣佑真/濵田一輝/宮川昌大/柏竹琉/大矢英俊/郡山北斗/藤村友也/野田颯太/渡部民人/吉山和希/張本智和
女子選手
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