橋津文彦監督が新たに掲げる"人生の目標"とは 野田学園高校卓球部に潜入 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:野田学園高校卓球部/撮影:ラリーズ編集部

卓球インタビュー 橋津文彦監督が新たに掲げる“人生の目標”とは 野田学園高校卓球部に潜入

2023.01.14

この記事を書いた人
Rallys副編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

ついに野田学園高校卓球部の練習に潜入取材した。


写真:野田学園高校卓球部練習の様子/撮影:ラリーズ編集部

野田学園高校卓球部は、言わずと知れた高校男子卓球界の名門校だ。

高校3年生で全日本選手権を制し、リオ五輪で銀メダルを獲得した吉村真晴(TEAM MAHARU)や、2022年の全日本選手権優勝の戸上隼輔(明治大学)ら日本卓球界のトップ選手を多数輩出している。


写真:戸上隼輔(明治大)/撮影:ラリーズ編集部

野田学園を率いるのが橋津文彦監督だ。

吉村、戸上だけでなく、現・T.T彩たま監督の岸川聖也(ファースト)、先日引退を発表した平野友樹(協和キリン)ら多くの教え子を卓球界に送り出し、仙台育英高校時代にはインターハイ優勝、野田学園も全国上位常連校に育て上げた名将だ。

今回は橋津監督にインタビューし、指導についてや今後思い描いている“野望”を語ってもらった。

明治大学で選手に一区切りをつけ卒業後は指導者の道へ


写真:橋津文彦監督(野田学園)/撮影:ラリーズ編集部

――橋津監督は明治大学卒業後、すぐに指導者になられています。

選手としての未練はなかったのでしょうか?

橋津文彦監督:中学1年生の少し遅めの時期から卓球を始めて、高校もバタフライの創設者である田舛彦介さんの母校、柳井商業高校に卓球をしに進学しました。

その頃は、「全日本チャンピオンなりたいな」「オリンピック行きたいな」「インターハイ優勝したいな」と真剣に思っていました。

ただ、明治大学に入って、「これはちょっと自分の選手としての道はもう無理だな」と感じて、指導者の道を志しました。

――大学で何があったんでしょうか?
橋津文彦監督:当時の明治大学は、平沼園という民間の卓球場のそばに寮があってそこを練習拠点にしていました。

卓球台が3台しかないので、毎日勝ち抜きのゲーム練習でした。

そこに同級生の田崎(俊雄)さん、今の明治大学監督の高山(幸信)さん、後輩にオリンピック行った遊澤(亮)さん、今木下グループの総監督をやってる倉嶋(洋介)さんとそうそうたるメンバーがいて、彼らが勝ち続けるわけですよ。


写真:田崎俊雄氏 五輪に3大会出場/提供:築田純/アフロスポーツ

橋津文彦監督:そうしたら自分は1日練習場にいても、審判して試合やって負けて次また審判して試合やって負けてと、1日2試合しかできなかったときもありました。

そういう状況の学生生活を過ごしてたら、諦めはつきますよね。

大学2年生くらいから指導者になろうと思い始めて、慌てて教職の授業をそこから取って、大学卒業後は教員になりました。


練習の指示を出す橋津文彦監督(野田学園) 母校・明治大学に卒業生を多く送り込んでいる

ターニングポイントは「岸川聖也の監督になったこと」


写真:今も自ら多球練習では球出しをする橋津監督(野田学園)/撮影:ラリーズ編集部

――指導者になりたての頃はどのような指導だったのでしょうか?
橋津文彦監督:大学卒業して東洋大姫路高校に奉職しました。

その頃は自分の“勝ちたいという欲望”を実現させるために生徒を強くする、みたいな感覚で厳しく指導していました。

ただ、3年間で全国では1勝しかできませんでした。

――その後、仙台育英に行くわけですね。
橋津文彦監督:結局仙台育英に行って、岸川の監督になったということが僕のターニングポイントですね。


写真:現在、T.T彩たまの監督を務める岸川聖也 橋津監督の教え子の1人/撮影:ラリーズ編集部

――相当なプレッシャーだったんではないですか?
橋津文彦監督:日本卓球界の宝を預かるわけですから、プレッシャーはありました。先輩方からも「橋津、大丈夫か?」など、厳しいことは何度も言われました。

ただ聖也も、僕のことを監督として目線を下げてくれてた部分もたぶんあるし、同じ経験、同じ時間を共有していく中で、支配型の指導者から対話型の指導者になれたと感じています。


練習中にも選手と会話を交わす橋津監督 良い意味で距離感の近さがある

橋津文彦監督:聖也の指導者になったことで世界が変わりましたね。

自分が聖也に卓球で教えられたことって少ないんですけど、スポーツマンとして人に憧れられるようなスーパースターにしないといけないと思って、その辺の指導はしっかりしようと心掛けていました。

「自主性を持てるように管理しないといけない」


写真:練習を見守る橋津文彦監督/撮影:ラリーズ編集部

――岸川さんもそうですが、吉村真晴選手、戸上隼輔選手と、世界でも活躍する選手が橋津監督の教え子にはいらっしゃいます。

何か指導で意識されている点はありますか?

橋津文彦監督:卓球の技術や戦術には、その時その時のトレンドが必ずあるので、指導者としてそういうものには敏感でい続けようとは思っています。

あと、一つの柱になってるのが、「自主性を持てるように管理しないといけない」ということです。


写真:2019年インターハイでの戸上隼輔が男子シングルスを制した時の橋津文彦監督(野田学園)/撮影:ラリーズ編集部

――「自主性を持てるように管理」とはどういうことでしょうか?
橋津文彦監督:結局、頑張れるか頑張れないかのこの1点にすべてがかかるじゃないですか。

聖也にしても真晴にしても隼輔にしても頑張りますからね。

頑張れる人間にしてあげることが、大人の指導者の役目かなとは思ってやっています。

「男子シングルス世界チャンピオンを育てたい」


写真:橋津文彦監督(野田学園高校)/撮影:ラリーズ編集部

――卓球の指導者としてどういう部分がモチベーションになっていますか?
橋津文彦監督:もう50歳手前なので、いろいろ考えることはあるんですけど、僕にエネルギーを与えてくれる選手たちがいるので、それがガソリンとなって、エンジンを動かしているのかなという気もしています。
――どういう目標で今は指導されているのでしょうか?
橋津文彦監督:そもそも僕が指導者になろうと思った時の目標が3つありました。

「インターハイ優勝しよう」
「全日本チャンピオン育てよう」
「オリンピック選手育てよう」
で3つです。

実はこれ、自分の子供の頃の夢だったんですけど、本当にラッキーなことに今3つとも叶えることができました。


写真:教え子の吉村真晴は全日本選手権を制し、リオ五輪にも出場した/提供:築田純/アフロスポーツ

橋津文彦監督:もちろん野田学園でまだインターハイを優勝したことがないので、そこを目指すのが1つ。

もう1つは、ここまで卓球に人生をかけた生活をしてきたら、たぶん死ぬまで僕はこれを続けると思うんです。

こうなったら男子シングルス世界チャンピオンを育てたいなと思っています。

思わない限り絶対無理じゃないですか。

だったらもう男子シングルス世界チャンピオン。ここを僕の人生の目標にしたいと思っています。


写真:野田学園中高卓球部/撮影:ラリーズ編集部

橋津監督と2022年の愛媛インターハイでお話させてもらい、「いつでも取材に来てくださいね」と快く取材を受け入れていただき、今回の取材が実現した。

取材のために山口県に前日入りしていたところ、橋津監督のご厚意もあり、急遽その日から2日間に渡り取材させてもらった。2日間を通して、厳しい練習の中でも卓球を心から楽しむ橋津監督と選手たちの姿が印象的だった。

長所を伸ばし、超攻撃型卓球で勝ち続ける野田学園高校卓球部の魅力は、動画でも存分にお伝えする。

取材動画はこちら

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