中学時代日本一に輝きながら、地元に残り戦う選択をした男がいる。
三重県・高田高校卓球部の前出陸杜だ。今は珍しいペンホルダーとしてプレーする前出は、2021年のインターハイでもシングルスベスト16とランク入りを果たした。
今回は高田高校卓球部の練習にお邪魔し、“ペンドラの星”であり“地元の星”でもある前出陸杜のこれまでの卓球人生に迫るとともに、前出陸杜の兄・前出祐杜監督に高田高校卓球部の特徴を伺った。
【高田高校卓球部】三重県の卓球強豪校。「人間的成長なくして技術的進歩なし」をモットーに活動しており、2021年のインターハイでは学校対抗で初戦を突破、エースの前出陸杜はシングルスでベスト16とランク入りを果たした。
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地元に残って「落ちたな」と言われるのは嫌
写真:前出陸杜(高田高校)/撮影:ラリーズ編集部
岡野(俊介・愛工大名電高)選手に負けて、名電の選手に勝つには実力不足だなと感じました。
インターハイ学校対抗でもシングルス全勝でチームを牽引した
ただ、高校に入ってからそれだけでは勝てなくなったので、ラリーする前に決める意識は持ちながらも、大きいラリーになったときに負けないように体づくりにも取り組んでいます。
練習後には体幹トレーニングに取り組んでいた
ただ、今まで強化してもらったことには変わりはないので、自分が違う大会で結果を出して三重県に恩返ししたいと思っています。
「結構あっさり中止になっちゃったなって感じです」
怪我から復活できたのは「卓球が好き」という思い
写真:前出陸杜(高田高校)/撮影:ラリーズ編集部
純粋に卓球が楽しいという気持ちでもう一回頑張ろうと思いましたね。
インターハイでの前出陸杜
高田高のモットーは「人間的成長なくして技術的進歩なし」
続いては、前出陸杜の兄・前出祐杜監督に、チームの特徴や取り組みを尋ねた。
写真:前出祐杜監督 高田高校から三重大学を経て3年前から男子卓球部監督に就任/撮影:ラリーズ編集部
高田高校卓球部の練習の様子 最近では大阪大学へ進学する部員も出ている
そこでまずは積極的にコミュニケーションを取って、アドバイスを求めに行く。強くなるのはもちろんですし、卓球を通じて目上の人とコミュニケーションをとるなどは、社会人になってからも活きてくると思っています。
学校での練習後、松生卓球道場で練習する前出陸杜(高田高校)
練習場の壁に貼られた「人間的成長なくして技術的進歩なし」の文字
「チームの限界を上げてくれる」 “大エース”前出陸杜の存在
写真:前出祐杜監督(高田高校)/撮影:ラリーズ編集部
自分たちのチームの限界を上げてくれる存在。チーム的にはそんな感じですね。
インターハイシングルスではベスト16とランク入りを果たした前出陸杜(高田高校)
小学生だと試合のカウントをよく間違えるんですけど、弟は絶対に間違えないし逆に相手が間違えてたら訂正する。そういうところが昔から違うなとは思ってました。
あとは高校生になって、練習相手で自分より強い相手もなかなかいない中でも、100%、120%の集中力で練習ができるのは強みだと思いますね。
集中して練習に臨む前出陸杜
今はチームの主将兼エースとして戦う
“ペンドラの星”として
最後に“ペンドラの星”前出陸杜に、用具についてや今後の目標を尋ねた。
写真:稀少なペンホルダーとして戦う前出陸杜(高田高校)/撮影:ラリーズ編集部
ラケットも本来中ペンはなかった種類なのですが作ってもらいました(笑)
現在はアルティウスST5を使用している
今日打ったのはミズノの新ラバー「Q QUALITY」なのですが、今までで一番好感触でした。
取材時にフォア面用の新ラバーの試打を繰り返し、「これは良い」と驚きの声をあげていた
憧れられる選手になりたいです。
愛されキャラのエース兼新主将は、“地元三重県の星”、“ペンドラの星”、そして“日本卓球界の星”の三ツ星を手にできるか。三重での挑戦は続く。