文:ラリーズ編集部
<第56回全日本社会人卓球選手権大会 日時:10月28日~30日 場所:長野・ANCアリーナ(安曇野市総合体育館)>
28日から、全国各地の予選を勝ち抜いてきた社会人選手の日本一を決める大会、全日本社会人選手権(以下、全日本社会人)が幕を開ける。
全日本社会人選手権とは
全日本社会人選手権は、各都道府県で居住・勤務し、社会人選手のみが参加できる大会である。そのため、日本学生卓球連盟や全国高等学校体育連盟の加盟者や、学校(幼稚園を含む)に在籍する選手、全日本卓球選手権大会マスターズの部(以下、全日本マスターズ)に出場する選手は参加できない。
※全日本マスターズに出場する場合シングルスのみ出場不可
今大会は無観客で行われ、試合はダブルスが5ゲームマッチ、シングルスは準々決勝まで5ゲーム、準決勝以降は7ゲームマッチで行われる。
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男子シングルス見どころ
第1ブロック:上田仁の無敗伝説続くか
写真:上田仁(T.T彩たま)/撮影:ラリーズ編集部
男子シングルス第1ブロックの注目は、今大会第1シードの上田仁(T.T彩たま)だ。2015年から全日本社会人では3連覇を成し遂げ、前回大会でも決勝で大島祐哉(木下グループ)を破り3年ぶりの優勝を掴み、大会V4を達成した。
上田は予選を含め全日本社会人シングルスでは未だ無敗と、無類の強さを見せている。今大会でも「無敗伝説」が続くのか、大いに注目が集まる。
写真:松平賢二(協和キリン)/撮影:ラリーズ編集部
ほかにも、今シーズンからブンデスリーガで腕を磨く神巧也(ファースト)、長く日本リーグで活躍する松平賢二(協和キリン)、Tリーガーの有延大夢(琉球アスティーダ)らが第1ブロックに入った。
第2ブロック:カットマン2選手が同ブロックに入る
男子シングルス第2ブロックには、村松雄斗(La.VIES)と、昨年大会3位で、今シーズンのTリーグでも勝ち星を重ねている英田理志(愛媛県競技力向上対策本部)のカットマン2選手が入った。
写真:村松雄斗(La.VIES)撮影:ラリーズ編集部
村松は今シーズンから4年ぶりにブンデスリーガに参戦し、1部昇格組であるマインツ05のエースとして東京五輪フランス代表のシモン・ゴジを下すなど活躍している。ドイツでさらに磨きをかけた切れ味鋭いプレーで上位進出なるか。
第2ブロックにはほかにも、田添響(岡山リベッツ)と田添健汰(木下グループ)の田添兄弟、松山祐季(協和キリン)、三部航平(シチズン時計)ら現役のTリーガーが入っている。
第3ブロック:実業団の強豪選手が集う
第3ブロックには、前回大会3位の郡山北斗(リコー)をはじめ、上村慶哉(シチズン時計)、松下海輝(日鉄物流ブレイザーズ)、硴塚将人(協和キリン)など、日本リーグで活躍する選手が数多く入っている。
写真:郡山北斗(リコー)/撮影:ラリーズ編集部
ほかにも、全日本選手権シングルスベスト8の吉田雅己(木下グループ)、前回大会ベスト8の笠原弘光(ハンディ)のいぶし銀のプレーにも注目だ。
第4ブロック:前回準Vの大島祐哉が優勝狙う
写真:大島祐哉(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
第4ブロックには、前回大会準優勝の大島祐哉(木下グループ)がスーパーシードで入っている。抜群のフットワークと破壊力のあるフォアドライブで、今大会も上位進出が期待される。
また、同ブロックにはアジア競技大会日本代表の松下大星(クローバー歯科カスピッズ)も入っている。
写真:松下大星(クローバー歯科カスピッズ)/撮影:ラリーズ編集部
両者の対戦は直近のTリーグでは松下が勝利しているが、今回対戦が実現した場合はどちらが勝利を収めるのか、注目の一戦となるだろう。なお、大島と松下は両者とも勝ち上がればベスト8決定戦で対戦することになる。
第4ブロックにはほかにも、前回大会ベスト8の町飛鳥(ファースト)や、全日本社会人優勝経験のある大矢英俊(ファースト)らが入っている。
男子ダブルス見どころ
男子ダブルスでは、前回大会準優勝の大島祐哉/田添健汰(木下グループ)ペアが第1シードに登録されている。
写真:大島祐哉/田添健汰(木下グループ)/撮影:ラリーズ編集部
Tリーグでも同じチームに所属し、昨シーズンのプレーオフファイナルではダブルスでチームを優勝に導く貴重な勝利を挙げた。しかし、個人戦では、全日本社会人、全日本選手権ともに優勝には至っていない。今大会で、悲願の全国初タイトル獲得を目指す。
また、同じTリーガーでは、有延大夢(琉球アスティーダ)/田添響(岡山リベッツ)ペアがエントリーされている。
写真:有延大夢(琉球アスティーダ)/田添響(岡山リベッツ)/撮影:ラリーズ編集部
有延と田添は、Tリーグでは別チームのためダブルスペアが組まれることはない。普段見ることのできないペアリングの試合が見られるのも、全日本社会人選手権の醍醐味の一つと言える。
他にも、前回大会3位で、全日本選手権ダブルス準優勝の松下海輝/藤村友也(日鉄物流ブレイザーズ)ペアや、日本リーグで活躍する上村慶哉/酒井明日翔(シチズン時計)ペア、渡辺裕介/松山祐季(協和キリン)ペアが出場し、上位進出を狙う。
昨年に引き続き強豪選手が多数出場する今大会。どの試合も熱戦が期待される中、誰が社会人の頂点に輝くのか。
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