格上の相手に勝つために有効な考え方とは|頭で勝つ!卓球戦術 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)
格上の相手に勝つために有効な考え方とは|頭で勝つ!卓球戦術

卓球プレーヤー向け 格上の相手に勝つために有効な考え方とは|頭で勝つ!卓球戦術

2023.09.01

この記事を書いた人
初級者、中級者向けに基本技術の説明から、戦術論や卓球コラムまでを執筆。社会人になってから5回全国に出場し、全日本卓球選手権(マスターズの部・男子30代以上の部)ではベスト64。まさに“頭で勝つ!”を体現中。
戦型:右ペン表裏

卓球は競技人口が多い。Tリーグ公式ページにも「日本国内で500万人とも言われる」との表記もあり、一説によれば1000万人とも言われている。人口が多いということは、それだけ実力のレベルも幅広いということ。

あなたが卓球を長年続けて技術を積み上げ、試合で好成績を収めていたとしても、必ず格上は存在する。

日本においてはご存知の通り、水谷隼選手がその頂点に立ちはだかっている。その他の選手は、たとえどんな熟練者であっても、「上には上がいる」というわけだ。

そして、頂点に少しでも近づく為には、必ず「格上」の選手を倒さなければならない。自分よりも弱い選手に勝つことを考えても仕方がないので、今回は自分よりも強い、格上の選手を倒す為の戦術について考えてみよう。

>>卓球の練習時間外の活用法7選 打てない時でも強くなれる【頭で勝つ!卓球戦術】

格上選手に負ける原因の1位は「サーブレシーブ」

格上の選手と対峙して負けるときの最も多いパターン。それは、「サーブレシーブで相手に先手を取られてしまう」ことであろう。

・相手のサーブが取れない、分からない。返球があまくなる。3球目攻撃を打ち込まれる。

・相手のレシーブが厳しい。こちらが3球目攻撃をさせてもらえない。結果、何も出来ずに試合が終わる。

こういった負け方は、誰もが経験しているだろう。
これが、ある程度サーブレシーブがマシになれば、格上の選手といえども互角に試合を展開出来る。

>>レシーブを武器に!試合に勝つためにテクニックを身につけよう

とにかく、シンプルな戦術で攻める


お得意のエースサーブを出しても、逆モーションで流される。

渾身のチキータを放っても、「待ってました」とばかりに狙い撃ちされる。

では、このサーブは効くか、このレシーブならどうか、と色々試すも、すべて巧みに反撃されてしまう。もうやることがなくなってしまった…

こんな状況に陥らない為に心がけたいこと。それが、「シンプルな戦術で攻める」という意識だ。

こちらが「色々なことをする」から、「色々な返球が返ってくる」ので、苦しくなる。

ならばいっそ、こちらがやることを絞って、返球も一定に絞らせよう、というのが狙いだ。

以下で、サーブとレシーブ、それぞれの場面で具体的に有効な戦術についてお伝えしよう。

>>【初心者必見】順横回転サーブの活用方法|基本技術レッスン

シンプル戦術 サーブ

「もう出すサーブがない」こんな手詰まりの状況にならない為には、シンプルに攻めることが大切だ。

たとえば、ナックルの短いサーブを出すと、どういう返球が来るか。
・ツッツキ
・流し
・ストップ
・フリック
・チキータ
・プッシュ
等、思いつくだけでも6種類もの返球が考えられる。

では、スピードのあるドライブ回転のロングサーブならどうか。
・ドライブ
・ブロックに近いボレー

わずか2種類である。そう、ロングサーブを出せばレシーブでストップされるとは考えにくい。しかし、ショートサーブなら、ストップされるかもしれないし、ツッツキかもしれない、チキータかもしれない。

ならばいっそ、すべてロングサーブから組み立てよう。これがシンプルに考えるということだ。
もちろんあくまでこれは一例なので、すべてこの通りにうまくはいかないであろう。

自分がサーバーの際、考えるべきは、大きく分けて2つだ。

・相手はレシーブで下回転系の処理が得意か or 横・アップ回転系の処理が得意か
・自分は3球目で下回転系(ツッツキ)のボールを打つのが得意か or 上回転系(チキータ)のボールを打つのが得意か

これを考慮した上で、出すサーブをひとつに絞るのである。

例えば筆者は、ペン表ソフトの前陣での攻守を得意とする戦型である。ツッツキを表ソフトでドライブをしても威力は出ないので、上回転系の返球をさせたい。

さらには、フォアよりもバックでのプッシュを得意としているので、バック側に返球を多く集めたい。

その為に、相手のバック前に、順横回転(右横回転)のアップ気味のサーブを出す。

こうすれば返球の予測が「おおよそバック側に上回転系のボールが来る」と絞れるので、こちらも3球目を余裕を持って攻めることが出来る。

で、このサーブをメインで出し続けるのである。もちろん相手も返球のコースを変えてくるだろう。しかし、そうなれば「フォア側にレシーブを変えてきたな、よし。」という感じでフォアで待てばよい。

これが、闇雲に色々なサーブを出すと、色々な可能性で待たなければいけないので、こちらの負担が大きい。サーブを限定すれば、返球も限定される。なので、幾分と戦いやすくなるはずである。

>>下回転サーブの最適なレシーブとは?トップ選手に学ぶレシーブ講座

レシーブ


さて、問題はレシーブである。

レシーブはただでさえ難しいのに、相手が格上でサーブも上手となれば、その難易度はさらに上がることだろう。

ここでもやはり、

・相手は台上から攻めるのが得意なのか or パワーのあるドライブを打つのが得意なのか

といったことを見極める必要がある。がしかし、ここでお伝えしたい大事なことは、「いいレシーブをしようと思わない」ことである。

相手がパワーのあるドライブを打つのが得意と判断し、それを避けるために、なるべく短くレシーブを試みるとする。しかし、短く・低くストップをするのは、難しい。それに相手もそうさせないよう複雑な回転のサーブを出してくるであろう。

短く低くストップ出来ればよいが、少しでもボールが浮いてしまえば、一発で撃ち抜かれてしまう確率が高いであろう。

そこでおすすめしたいのが、「浮いてもいいのでコート深くにレシーブする」ことである。

相手コート深くにさえレシーブが出来れば、多少浮いたとしても、3球目攻撃のボールがこちら側に届くまでに時間的余裕があるので、しっかりとブロックの姿勢を取ることが出来る。

チキータでも、ツッツキでも、得意なものでかまわない。とにかくなんとかレシーブを深くに入れる。その意識だけでも大分変わるはずだ。

「打たれないようにしなければ!」とストップを試みても、浮いてしまえば一瞬で決められてしまう。それならばいっそ、打たれることを覚悟で、むしろ「打たせて、ブロックを狙う」という気持ちで構えた方が、心理的にも楽である。

補足だが、少しでも甘いサーブが来て、「チャンスだ!」と思ったときは躊躇せずに思い切り攻めよう。フリックなら、10割の力で思いっきりフリックする。

ここで、おそるおそるフリックをしたのでは、相手にプレッシャーをかけられない。ミスをしてもいいので、とにかく思いっきり振れば、相手は「サーブが甘くなると打ち込まれるので、気をつけなければ」という心理になり、プレッシャーがかかる。

>>上回転サーブに効果的なレシーブとは?トップ選手に学ぶレシーブ講座

サーブレシーブがなんとかなれば、試合にはなる

このように、サーブレシーブをシンプルに考えることが格上と対峙する際は重要である。

サーブレシーブさえなんとか互角にもっていければ、その後のラリーでは相手もプレッシャーがかかるだろうから、よっぽど実力差がない限りは、とんでもない負け方をすることはないだろう。

そして、心理的に強気で攻めていけば、必ず格下にもチャンスはある。

>>【頭で勝つ!卓球戦術】リードしてから逆転されずに勝ちきる為の3つの方法

とにかく心理的に優位に立つ

そして、試合全体を通して心がけて欲しいのが、「とにかく心理的に優位に立つ」ということである。

普通に考えれば、あなたは相手よりも弱い。ならば相手は、気持ちよくバンバン攻めこんでくるだろう。

そこであなたは、サーブレシーブをシンプルに組み立てる。そしてさらに、リスクを冒して思い切りよく攻める。それを繰り返して、プレッシャーをかけていく。

そうして相手に、「もしかしたら負けるかもしれない」と思わせられればこっちのもんである。こうなれば相手は、「格下の相手に負けたら恥だ。負けるわけにはいかない」という心理が働き、焦りにつながり、普段通りのプレーが出来なくなる。この心理は重要な試合になればなるほど大きく働く。

逆に格下は、挑戦者として向かっていけるので、メンタル的には有利な状況になる。「向こうが格上なんだから、負けても仕方ない、思い切っていこう!」という心情である。

水谷選手なども、格上の中国選手と試合する際は、「リスクを冒してヤマを張る」というプレーを心掛けると常にインタビューでも話している。

リスクを冒すことを厭わない。どうせ格上。普通にやったのでは負ける。ならば、リスクをとって攻める以外に、勝つ手段はない。

>>【初心者必見】卓球の回転サーブの種類と良い出し方のコツ|卓球基本技術レッスン

まとめ

格上に勝つ為の戦術をまとめると、

・サーブレシーブをシンプルに組み立てて、3,4球目の攻防で互角の戦いに持っていく
・常に強気でプレーをし、時にはリスクを冒して攻めていき、プレッシャーをかける

以上の2点となる。

トーナメント戦では、優勝者以外は必ず最後は負けて終わる。となれば、格上の選手に勝つ必要は絶対にあるのだ。

格上の選手と試合をする際は、ぜひ今回紹介した戦術をふまえて挑み、少しでも上を目指して欲しい。

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