文:ラリーズ編集部
今回は、ジュニア時代2013〜15年アジアジュニア3連覇の記録を持ち、2019年にはツアー2大会優勝、T2ダイヤモンドベスト8と存在感を増している中国の若手選手、陳幸同(チェンシントン)について紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、世界ランキングを上げる要因となっている国際大会での戦績についても触れます。
日本の平野美宇のコピー選手として練習相手を務め、今では中国期待の選手の1人としてメキメキと世界ランキングを上げている陳幸同。今回は、そんな陳幸同のプロフィールを見ていきましょう。
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陳幸同とは?
陳幸同は2019年長﨑美柚(日本)が優勝したアジアジュニア卓球選手権を2014年から3連覇するなど、ジュニアから中国を代表する選手です。2015年には全国青年選手権で優勝しました。
シニアに戦いの場を移した後も2017年にはツアー2大会で優勝、グランドファイナルでもベスト4に輝きました。2019年でもブルガリアオープン、チェコオープンを制し世界選手権個人戦には出場していませんが、今後中国を引っ張っていく若手選手なのは間違いなし陳幸同のプロフィールを見ていきましょう。
プロフィール
陳幸同は、1997年5月27日生まれの22歳(2019年12月時点)。上背はないものの、パワーとテクニック、メンタルの強さを兼ね備えたオールラウンダーです。陳幸同の同世代には孫穎莎(スンイーシャ)や王曼昱(ワンマンユ)、日本選手では佐藤瞳らがいます。黄金世代といわれる伊藤美誠、平野美宇、早田ひなの3歳上です。
2014年のアジアジュニア選手権で優勝すると、2015年大会・2016年大会でも優勝し3連覇を果たしました。2015年には同年代のライバルでもある王曼昱に決勝で勝利し、全国青年選手権でも優勝しました。
シニアに活躍の場を移した後も2017年にはハンガリーオープン、スウェーデンオープンで優勝しグランドファイナルに出場、ベスト4に輝きました。2019年にもブルガリアオープン、チェコオープンで優勝、T2ダイヤモンド・シンガポールにも出場しました。グランドファイナルの出場権も獲得しており、今後中国を引っ張っていく期待の若手です。
プレースタイル
陳幸同の戦型は、右シェーク裏裏ドライブ型です。上背はないものの、パワーとテクニックを兼ね備えたオールラウンダーです。平野美宇のコピー選手を務めるとあって、両ハンドで積極的に攻めてストレートを突くのも得意な選手だ。ブロック力も高く、左右に振られても崩れない体幹の強さもありラリー戦に強い傾向がみられます。
サーブは下回転や横回転のサーブといった回転量の多さで勝負し、得意な両ハンドにつなげラリー戦に持っていきます。レシーブではチキータやストップなど多様な技術を使用します。
ダブルスでは同年代の孫穎莎(スンイーシャ)と組んでワールドツアーで優勝をしており、多種多様な技を持つ陳幸同だからこそ力を発揮できるのでは思います。
使用用具
陳幸同の使用ラケットはバタフライの木材5枚+アリレートカーボン2枚合板の「張本智和インナーフォースALC」で、ラバーはフォア面は紅双喜の「キョウヒョウ NEO 3」、バック面はバタフライの「テナジー 05」を使用しているようです。
世界ランキング
陳幸同の世界ランキングは2017年1月時点で62位でした。その後ワールドツアー優勝やグランドファイナルベスト4の成績を残し、2017年12月には前月の33位から10位に大きくジャンプアップを果たしました。2018年になってもランキングは上昇し、7月には自己最高の2位になりました。その後は上位をキープしており、2019年11月の最新の世界ランキングでは5位となっています。
国際大会の主な戦績
2013年 | アジアジュニア卓球選手権 | シングルス優勝 |
2014年 | アジアジュニア卓球選手権 | シングルス優勝 |
アジアジュニア卓球選手権 | 女子ダブルス優勝(劉高陽ペア)・混合ダブルス優勝(王楚欽ペア) | |
2015年 | アジアジュニア卓球選手権 | シングルス優勝 |
2017年 | ハンガリーオープン | シングルス優勝 |
スウェーデンオープン | シングルス優勝 | |
グランドファイナル | シングルスベスト4 | |
2019年 | ブルガリアオープン | シングルス優勝 |
チェコオープン | シングルス優勝 |
まとめ
ワールドツアーで成績を残している中国期待の若手でもある陳幸同。ダブルスでは成績を残していましたが、今後はシングルスでの活躍も期待させ、日本選手の前に立ちふさがり熱戦が展開されるのが期待されます。
まだ22歳と若い陳幸同。持ち前のパワフルな両ハンドと粘り強いラリー力を活かしどこまで活躍していくのかに注目が集まります。