文:ラリーズ編集部
今回は、ジャパントップ12卓球大会で4連覇を達成している小西海偉を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。
このページの目次
小西海偉とは?
小西海偉は、インターハイで史上初の3連覇、ジャパントップ12卓球大会で4連覇を成し遂げている選手です。中国式ペンで片面のみにラバーを貼る希少な戦型ですが、欧州リーグやTリーグで活躍、国内大会でも上位に入る実力者です。
小西海偉のプロフィール
小西海偉(こにしかいい、旧姓:吉田)は1981年5月16日生まれの43歳(2025年4月時点)で、中国河北省出身です。
7歳のときに卓球を始めると、1997年に来日すると中国名である「宋海偉」として青森山田高校に入学。同年のインターハイで1年生ながら男子シングルス優勝を果たすと、2年次、3年次にも優勝し初の男子シングルス3連覇を成し遂げました。
写真:小西海偉/撮影:ラリーズ編集部
高校卒業後、青森大学に進学すると1年生にして全日本大学総合卓球選手権大会(個人の部)の男子シングルスで優勝しています。2004年に日本国籍を取得し、恩師でもあり、青森山田の名将として知られている故・吉田安夫さんの名字を取って、名前を「吉田海偉」としました。
大学を卒業すると、日産自動車に所属します。2005年1月の全日本選手権に初出場を果たすと、決勝で前年度チャンピオンの偉関晴光氏に勝利して初優勝を果たしました。同年の国内大会で上位入賞を果たすと、翌2006年の全日本選手権で連覇、ジャパントップ12では2009年までで4連覇を達成しています。
写真:青森山田1期生の吉田海偉/撮影:ラリーズ編集部
この頃には国際大会でも上位に進出していて、2005年にアジアカップで4位に入ると、翌2006年にはセルビアオープンで国際大会初優勝を飾っています。その後2010年に、同じく卓球プレイヤーとして活躍していた小西杏と結婚しました。
2015年からはドイツ・ブンデスリーガに参戦したほか、2022年にはポーランド・スーパーリーグにも参戦。ヨーロッパチャンピオンズリーグでは、ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)を破ったことで話題となりました。また、Tリーグの2023-2024シーズンに、新チームの静岡ジェードから参戦しています。
小西海偉のプレースタイル
小西海偉の戦型は、右ペン裏の攻撃型です。中国式ペンホルダーを使用しつつも、片面のみにラバーを貼ってフォアハンド主体で動き回る、日本式ペンホルダーのような使い方をしています。
小西海偉は、世界でもトップレベルのフォアハンドドライブの威力を持っていて、特にカット主戦型との相性は良いです。また、片面のみにラバーを貼るペンホルダーは共通してバックハンドが弱点となっていますが、小西海偉はバックハンドを表面のままドライブで打てたり、力強いプッシュを打てたりすることで弱点をカバーしています。
さらに、フットワークも鍛えているため、一度フォアハンドを振り出すと止まらずに打ち続けることができます。
小西海偉の使用用具
小西海偉はバタフライの契約選手で、ラケットはバタフライの『吉田海偉』、フォア面にはバタフライの『テナジー64』を使用しています。バック面にラバーは貼らず、片面のみの使用となっています。
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小西海偉の世界ランキング
小西海偉の世界ランキングは2025年4月時点でありません。国内での活動と、ポーランドのスーパーリーグの参戦、そしてTリーグの参戦等があり国際大会への出場は2018年以降ありません。最高ランキングは20位(2010年6月)です。
小西海偉の国内大会での主な成績
1997年 | インターハイ | 男子シングルス:優勝 |
1998年 | インターハイ | 男子シングルス:優勝 |
1999年 | インターハイ | 男子シングルス:優勝 |
2000年 | 全日学 | 男子シングルス:優勝 |
2001年 | 全日学 | 男子シングルス:ベスト4、男子ダブルス:優勝 |
2005年 | 全日本選手権 | 男子シングルス:優勝 |
ジャパントップ12 | 男子シングルス:優勝 | |
あいおい・トヨタカップ | 男子シングルス:準優勝 | |
2006年 | 全日本選手権 | 男子シングルス:優勝 |
ジャパントップ12 | 男子シングルス:優勝 | |
2007年 | 全日本選手権 | 男子シングルス:準優勝 |
ジャパントップ12 | 男子シングルス:優勝 | |
2008年 | 全日本選手権 | 男子シングルス:準優勝 |
ジャパントップ12 | 男子シングルス:優勝 | |
2010年 | 全日本選手権 | 男子シングルス:準優勝 |
2011年 | 国民体育大会 | 成年男子:優勝 |
2017年 | 全日本選手権 | 男子シングルス:3位 |
小西海偉の国際大会での主な成績
2004年 | USオープン | 男子ダブルス:3位 |
2005年 | アジアカップ | 男子シングルス:4位 |
アジア選手権 | 混合ダブルス:銅メダル | |
2006年 | セルビアオープン | 男子シングルス:優勝 |
ブラジルオープン | 男子ダブルス:ベスト4 | |
2008年 | チリオープン | 男子シングルス:ベスト4 |
2009年 | ジャパンオープン | 男子シングルス:ベスト4 |
世界選手権 | 男子シングルス:ベスト8 | |
2010年 | ハンガリーオープン | 男子ダブルス:準優勝 |
2013年 | ベラルーシオープン | 男子シングルス:優勝 |
2017年 | ポーランドオープン | 男子シングルス:準優勝 |
まとめ
シェークハンド、ペンホルダーでも両面でプレーすることが主流の時代に、唯一無二の戦い方で今もなお世界の実力者と対等に渡り合うサムライが、どれだけ卓球ファンを魅了するか。今後の彼の活躍に目が離せない。
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