文:ラリーズ編集部
今回は、国内外で数々の好成績を残し、過去最高世界ランキング18位の実力者、吉田雅己を紹介します。プロフィール、プレースタイル、使用用具などの基本的な情報から、世界ランキングを上げる要因ともなっている国際大会での戦績にも触れます。
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このページの目次
吉田雅己とは?
吉田雅己は、2016年の全日本選手権でダブルス優勝などの国内大会での活躍に加え、国際大会でも数多くの好成績を残しています。卓球ファンからは「侍」と呼ばれ、国内外の大会だけでなく、海外リーグでもで活躍してきた選手です。2020年には全日本選手権のシングルスで自己最高となるベスト4進出を果たしました。
Tリーグにも参戦しており、過去には岡山リベッツ、木下マイスター東京に所属していましたが、現在は金沢ポートに所属しています。
吉田雅己のプロフィール
吉田雅己(よしだまさき)は1994年9月30日生まれの30歳(2024年11月時点)で、北海道札幌市の出身です。父はインターハイベスト16、母は実業団の選手、上の2人の兄も卓球経験者という卓球一家に生まれ、6歳から自宅横の卓球場で卓球を始めました。同世代には丹羽孝希や町飛鳥らの実力者がそろっており、青森山田の黄金世代と言われていました。
小学生の時から全日本選手権のバンビ、カブ、カデットの部で多くの好成績を残しました。中学から卓球の名門である青森山田に進学すると、全中とインターハイでシングルス優勝など、数多くの輝かしい実績を残しました。
写真:吉田雅己/撮影:伊藤圭
その後、愛知工業大学に進学すると、ワールドツアーU21の部で多くの好成績を残します。その活躍が認められ、2015年の世界選手権出場を果たします。
さらに、国内でも2016年の全日本選手権で水谷隼とペアを組み、男子ダブルス優勝を果たすなどの活躍を見せました。
大学卒業後は実業団の協和発酵キリンに所属しました。その後、日本人初となるインドリーグへ参戦し、森さくらとともにチームの優勝に貢献。技術や「勝負師としての勘」を磨き上げていきました。
写真:吉田雅己/撮影:ラリーズ編集部
2018年からはTリーグに参戦し、1stシーズンから3rdシーズンまでは岡山リベッツに所属していました。4thシーズンからは木下マイスター東京に所属し、2022年からは木下アカデミーのコーチとしての役割も果たしています。
2020年の全日本選手権では、自己最高となる男子シングルス3位に入賞する活躍を見せました。そして、2022年の全日本選手権でも再び3位入賞を果たし、長年にわたって、その強さを示し続けています。
2024-2025シーズンからはいとこでもある西東輝氏が率いる金沢ポートに移籍し、チームの主力として活躍しています。
吉田雅己のSNS
X(旧Twitter)
今シーズン応援ありがとうございました!
ファイナルで負けはしましたが、みんなのプレーに感動しました!
来シーズンはリベンジできるようにまた頑張ります!
ウーゴありがとう!!!🇧🇷 pic.twitter.com/PeC59qt17e— 吉田雅己 (@j4vkI0xUAaVt4Y8) March 24, 2023
吉田雅己のプレースタイル
吉田雅己の戦型は右シェーク裏裏のドライブ型で、前陣でのプレーを主とし、両ハンドでの速い攻めを武器としています。サービス、台上技術も得意で、3、4球目で一気に相手をたたみかけるようなスタイルです。
写真:吉田雅己/撮影:ラリーズ編集部
また、吉田の代名詞であるハラキリサーブはYGサーブと似ていますが、吉田特有であるこのサーブは、吉田自身も初見だと8~9割はとれないと自負する強力なサーブです。
吉田雅己の使用用具
吉田雅己はバタフライの契約選手で、ラケットはバタフライの『張本智和インナーフォース ALC』で、ラバーはフォア面がバタフライの『ディグニクス05』、バック面がバタフライの『ディグニクス80』を使用しているそうです。
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吉田雅己の世界ランキング
2024年11月時点で吉田雅己は世界ランキングを持っていません。最高ランキングは18位(2017年8月)です。
吉田雅己の国内大会での主な戦績
2006年 | 全日本選手権(カデットの部) | 13歳以下男子シングルス:準優勝 |
2009年 | 全中 | 男子シングルス:優勝、男子団体:優勝 |
2010年 | 全日本選手権 | ジュニア男子シングルス:3位 |
2011年 | 全日本選手権 | ジュニア男子シングルス:準優勝 |
インターハイ | 男子ダブルス:3位(ペア:姫野翼)、男子学校対抗:優勝 | |
2012年 | インターハイ | 男子シングルス優勝、男子ダブルス:準優勝(ペア:町飛鳥)、男子学校対抗:優勝 |
2014年 | 全日本選手権 | 男子シングルス:ベスト8 |
2015年 | 全日本選手権 | 男子シングルス:ベスト8 |
2016年 | 全日本選手権 | 男子ダブルス:優勝(ペア:水谷隼) |
2017年 | 全日本選手権 | 男子ダブルス:3位(ペア:水谷隼) |
2018年 | 全日本選手権 | 男子シングルス:ベスト16、男子ダブルス:準優勝(ペア:上田仁) |
2020年 | 全日本選手権 | 男子シングルス:3位 |
2022年 | 全日本選手権 | 男子シングルス:3位 |
全日本社会人選手権 | 男子シングルス:3位 |
吉田雅己の国際大会での主な戦績
2010年 | ドイツジュニアオープン | ジュニア男子シングルス:準優勝、ジュニア男子ダブルス:優勝(ペア:平野友樹) |
フランスジュニア&カデットオープン | ジュニア男子シングルス:準優勝、ジュニア男子ダブルス:優勝(ペア:平野友樹) | |
成都ジュニア&カデットオープン | ジュニア男子シングルス:準優勝、ジュニア男子ダブルス:準優勝(ペア:平野友樹) | |
世界ジュニア選手権 | 男子シングルス:ベスト8、男子団体:銀メダル | |
2011年 | スウェーデンジュニア&カデットオープン | ジュニア男子シングルス:優勝、ジュニア男子ダブルス:準優勝(ペア:吉村真晴) |
フランスジュニア&カデットオープン | ジュニア男子シングルス:準優勝、ジュニア男子ダブルス:優勝(ペア:吉村真晴) | |
2012年 | スウェーデンジュニア&カデットオープン | ジュニア男子シングルス:ベスト4、ジュニア男子ダブルス:優勝(ペア:町飛鳥) |
世界ジュニア選手権 | 男子シングルス:ベスト8、男子団体:銀メダル | |
2013年 | チェコオープン | U21男子シングルス:優勝 |
ジャパンオープン | U21男子シングルス:ベスト4 | |
2014年 | スウェーデンオープン | U21男子シングルス:優勝 |
チェコオープン | U21男子シングルス:ベスト4 | |
クロアチアオープン | 男子シングルス:準優勝、U21男子シングルス:ベスト4 | |
2015年 | ジャパンオープン | U21男子シングルス:準優勝 |
韓国オープン | U21男子シングルス:優勝、男子ダブルス:ベスト4(ペア:水谷隼) | |
グランドファイナル | U21男子シングルス:ベスト4 | |
2017年 | カタールオープン | 男子シングルス:ベスト8 |
中国オープン | 男子シングルス:ベスト8 | |
オーストラリアオープン | 男子シングルス:ベスト8 | |
ユニバーシアード | 男子団体:銀メダル | |
2018年 | ジャカルタアジア競技大会 | 男子団体:ベスト8 |
2019年 | スロベニアオープン | 男子シングルス:ベスト8 |
まとめ
ジュニア時代から国内外で多くの好成績を残しており、日本人として初めてインドリーグにも挑戦して結果を残した吉田雅己。現在はTリーグでも活躍しています。吉田のこれからの活躍に期待が高まります。
吉田雅己インタビュー(2018年9月公開)
写真:吉田雅己/撮影:伊藤圭
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