卓球激戦区兵庫県で今年、インターハイ男子シングルスの6枠中5枠を獲得したのが育英高校だ。団体戦でもインターハイ兵庫県予選を3連覇し、全国高校選抜では2019年に第5位入賞と、近年力をつけてきているチームの1つだ。
卒業生には、日本卓球リーグ2部で新人賞に輝いた坂根翔大(関西大学→関西卓球アカデミー)や、インカレで1年生から専修大学のレギュラーとして活躍した野田颯太らがおり、有力選手を輩出している。
写真:坂根翔大(関西卓球アカデミー)/撮影:ラリーズ編集部
今回は、学校から車で15分程の場所にある専用練習場にお邪魔し、育英高校卓球部の田中雄仁監督、主将の谷本凌に話を聞いた。
【育英高校卓球部】兵庫県の強豪校。OBには高校在籍時に全日本ジュニアベスト8に入り、現在も実業団で活躍する坂根翔大(関西卓球アカデミー)。団体戦での最高成績は、2019年の全国高校選抜ベスト8、2019年のインターハイベスト16。4年前にできた専用練習場で活動する。青森山田高校から中央大学を経て、東京アートでもプレーした田中雄仁監督がチームを指揮する。
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指揮官は元実業団選手
写真:田中雄仁監督(育英高校)/撮影:ラリーズ編集部
元々育英の卓球部は普通の部活としてしっかりやっていて、一般に入ってくる生徒だけで上位を目指して戦っていました。僕が入る7、8年前くらいに強化指定の部活になって、スポーツ推薦制度で選手を獲れるようになりました。
写真:練習場にある現役生・卒業生の名簿 インターハイに出場した平成15年のメンバー/撮影:ラリーズ編集部
東京アートで3年間プレーした後、1年間仕事をして、その後兵庫のTTSタカハシという卓球ショップで働いているときに声をかけてもらいました。
本当にタイミング良く事務の枠が空いていて、なおかつ一番選手が集まってたタイミングで入れたので、お互いにとって良かったです。それこそ僕が入った1年目に、坂根がちょうど同じタイミングで入学してきました。
写真:実業団で活躍するOBの坂根翔大(関西卓球アカデミー)/撮影:ラリーズ編集部
指導方針は「卓球が嫌いにならないように」
部旗に書いてあった「各有能(おのおののうあり)」ということが根底にあって、学校の校風も自由ですし、僕自身も「全員が同じ卓球をする必要はないし、得意なところを伸ばしていければ良い」と考えています。
写真:育英高校の部旗に描かれた「各有能」 自分の適正・長所を発見・自覚し、それを発展させ自らに生かすという、育英創立者の教育理念/撮影:ラリーズ編集部
大学は基本的にどこも自由ですが、そこで完全に燃え尽きて消えていかないでほしいなと思っています。
写真:田中雄仁監督(育英高校)/撮影:ラリーズ編集部
僕も青森山田高校のときに、練習は厳しかったですけど、卓球自体はこういう卓球を絶対しないといけないというようなものはなかった。そこが一番基本の基本になっています。
写真:育英高校卓球部練習場 取材時もテスト期間ということもあり、2時間程度で練習終了となった/撮影:ラリーズ編集部
学校の真裏に高取山という山があって、天気予報見ながら週4回は走るようにしています。走って登って終わったら学校の体育館でスクワットや軽いウエイトを少しやるというのは継続してますね。
写真:練習場にはランニングの記録も掲示されていた/撮影:ラリーズ編集部
そういうしんどい練習だけは僕が指示します。例えばフォアバック一本一本100球とか。そういうのはこちらが決めないと選手はやらないので、しんどいことだけは指示してやらせています。
写真:OBの野田颯太(専修大学)/撮影:ラリーズ編集部
へにょへにょだなという動きは基本1年生の方が多いですし、ぱっと見てあんまりブレがないなとなったら上級生ですね。
門下生・岩城禎
写真:門下生に「岩城禎」の名が/撮影:ラリーズ編集部
大人の選手は、まず高校生にいないプレースタイルが多いので、誰でもウェルカムで呼んでます。高校生だけでやるとより速くより強くとなって行きがちなんですけど、卓球は違うじゃないですか。
写真:2021年の全日本選手権で一躍時の人となった岩城禎(緑の館)/撮影:ラリーズ編集部
大人はかわす技術だったり、考え方だったりが高校生と違う。岩城はまさしくそこを極めてる選手。レギュラー陣でもたまに岩城に負けたり、競ったりという試合をしてくれるのでありがたいです。
必ずしもそういう卓球をしろというわけではないんですけど、こういうのもあるのが卓球だよというのを生徒らに伝えられる良い機会になっています。
近畿大会優勝、インターハイ表彰台に向けて
育英高校卓球部主将の谷本凌にも、チームについての話を聞いた。
写真:谷本凌(育英)/撮影:ラリーズ編集部
自分は特にフォアハンドのタイミングの取り方だったり、足の使い方、身体の使い方だったりを教えてもらいました。
写真:2020年の全日本選手権には教え子の西野伊織(龍谷大学)と組み、男子ダブルスで出場した田中雄仁監督(育英高校)/.撮影:ラリーズ編集部
写真:育英高校OBの西野伊織(龍谷大学)/撮影:ラリーズ編集部
インターハイの目標は団体戦で表彰台に上がることなので、しっかりチーム全体で一戦一戦頑張ります。
写真:谷本凌(育英)/撮影:ラリーズ編集部
まずは近畿大会優勝へ
最後に田中監督にも意気込みを聞いた。
写真:田中雄仁監督(育英高校)/撮影:ラリーズ編集部
近畿で優勝するのが、現時点の一番の目標ですね。そこがもし達成できればインターハイでもベスト8やベスト4が見えてくると思います。
写真:練習場に貼られた今年のテーマの中には「近畿優勝」の他に「打倒東山」も/撮影:ラリーズ編集部
一個飛ばし二個飛ばしできたら理想は理想ですけど、そこは焦らず一つずつクリアしていったら良いかなと思います。
写真:育英高校卓球部メンバー/撮影:ラリーズ編集部
インターハイの組み合わせが発表され、奇しくもお互いが1回戦を勝利すると育英は東山高校と対戦することが決まった。近畿王者として君臨する東山を越え、勝ち進むことができるか注目だ。
OB・坂根翔大のインタビュー
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