マツケンが「台湾の張本」下し決勝T進出へ【世界卓球2018・日本男子】 | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

大会報道 マツケンが「台湾の張本」下し決勝T進出へ【世界卓球2018・日本男子】

2018.05.02

文:ラリーズ編集部

<世界卓球選手権(団体)2018年4月29日〜5月6日・ハルムスタッド>

世界卓球2018 日本男子 予選第4戦の結果

イングランドにまさかの敗戦を喫し、予選1位通過が絶望的となった日本男子チームは台湾と対戦。勝てば予選グループ3位以上が確定し決勝トーナメント進出が決まる重要な一戦となった。

水谷隼(木下グループ・4月度世界ランク11位)、張本智和(JOCエリートアカデミー・同13位)、松平健太(木下グループ・同14位)が起用された。

対する台湾は、Tリーグ・琉球アスティーダへの参戦が決まっているエース荘智淵(同16位)と長身サウスポーでパワーのある陳建安、そして16歳サウスポーの新鋭・林昀儒(同80位)の3名がオーダーされた。

張本、水谷は日本男子復活の狼煙を上げ、松平は今大会全勝で好調を維持

共にイングランドに敗れ、予選Cグループ2位争いを繰り広げる日本と台湾。

トップに出場したのは14歳の全日本王者・張本。イングランド戦での敗戦のショックから立ち直り、相手エースで37歳のベテラン荘智淵を打ち抜けるか、注目が集まった。張本と荘は両者とも台から下がらずにテンポの速いバックハンドを得意とする選手。そのため序盤からバックハンド対バックハンドの激しい打撃戦が繰り広げられた。勝負を分けたのは1ゲームずつ取り合って迎えた3ゲーム目。9-10と11-12と2度ゲームポイントを取られた張本だったが、ここからの粘りが凄かった。最終的には12-12から得意のバックハンドでのカウンター攻撃とチキータで2本連取し、14-12で逆転した。ゲームカウント2-1と優位に立って迎えた4ゲーム目も、要所で台の近くで踏み込んで打つフォアドライブが決まり、勝利。続く水谷にいい流れを作った。

2番のエース水谷は陳建安に対し、安定した試合運びでゲームカウント3−0で勝利した。水谷は打ってよし、守ってよしのオールラウンダーだが、この試合ではパワーのある陳に連続攻撃をさせぬよう、台から下がらずに自ら仕掛る展開を多用した。丹羽の十八番を奪うようなカットブロックも披露するなど、イングランド戦での敗戦が嘘であるかのような華麗なプレーで危なげなく勝利した。

2対0のいい流れで回ってきた3番松平の対戦相手は「台湾の張本」とも称されるポテンシャルの高い林。日本選手で言うと張本とダブルスを組んだ経験のある宇田幸矢(JOCエリートアカデミー)や木造勇人(愛知工業大学)らのようなテクニックに加え、台から下がってもパワーボールを打てる穴の無いサウスポーだ。松平は林の前陣での高速バックハンドに苦しめられ、2ゲーム目を逆転で落とす場面もあったが、林のバック側へのロングサーブからの速攻と、得意のバックハンドドライブでの得点で要所を締めた。また、松平の特長であるしゃがみ込みサーブも林に効いており、次戦に繋がる戦いを見せた。

台湾を3対0で下した日本男子はここまで4戦3勝で決勝トーナメント進出を決めている。残る第5戦の相手がここまで全敗のシンガポールということもあり、怪我の水谷を温存するのか、台湾戦でベンチを温めた丹羽、大島の出場はあるのか、など倉嶋監督のオーダーにも注目が集まる。

世界卓球2018男子グループC第4戦:日本 3-0 台湾

張本 3-1 荘智淵
4-11/11-7/14-12/11-8

水谷 3-0 陳建安
11-9/11-6/11-5

松平 3-1 林昀儒
11-6/11-13/11-7/11-4

写真:千葉格/アフロ