卓球技術・コツ 【初心者必見】逆チキータのやり方とコツ|卓球基本技術レッスン
2019.02.01
戦型:右ペン表裏
卓球ライター若槻軸足がお届けする「頭で勝つ!卓球戦術」
このシリーズでは初心者向けに卓球の基本的な技術についての説明と、そのやり方についてお話していく。実際のプレイヤーはもちろん、テレビなどで観戦される方にとっても、頻繁に出てくる用語が登場するので、知っているとより卓球の面白さが分かるだろう。ぜひ参考にしていただきたい。
(特に記述がない限り、右利きの選手を想定している)
逆チキータとは
逆チキータとは、前回にお伝えしたチキータを応用した技術だ。チキータをするような構えを見せておきながら、瞬時にスイングを変えて、チキータとは反対側のボールの右横を捉えて、フォア側へ逃げていく軌道のボールを送る技術だ。ラケットは右方向にスイングするが、ボールは左方向へ飛んでいくので、イメージとしては以前紹介した「流し」に近い。
チキータほどの威力が出る技術ではないが、相手の意表をつくことが出来、女子選手の方が多用する機会が多い。特に加藤美優選手が初期の頃から積極的に使っており、名前をとって「ミユータ」と呼ばれたりもしている。
逆チキータのメリット
逆チキータの最大のメリットはやはり相手の意表をつけるという点だろう。通常のチキータは、肘を高く上げて独特のバックスイングを取るので、誰もがその瞬間「チキータが来る」と思って警戒するだろう。そこからあえて逆チキータで全く逆の回転のボールを送る。それ自体が有効なことはもちろん、逆チキータを見せておくことで、相手はどちらが来るかの2択を迫られることになり、通常のチキータの効果も倍増するということになる。
さらに、左横回転をかける技術なので、相手のフォア側へ打てば、こちらのフォアクロスへ返ってくる可能性が非常に高い。その為それ以後後の展開を有利に進められる。
また、逆チキータはバックハンドのツッツキの発展とも言える技だ。なのでチキータが出来ない初心者の方であっても、比較的簡単に習得出来る技であり、非常に魅力的だ。
>>【初心者必見】卓球の「ツッツキ」とは?打ち方と練習法|卓球基本技術レッスン
逆チキータのやり方
では実際のやり方を見ていこう。ここではバック前にナックルのサーブを出された状況を想定する。まず台上技術全般に共通して言えるが、右足を出して台に入って、ボールに極力近く。そして、チキータと同様に肘を突き出すような形にして、高い位置で維持する。そこから、ラケットヘッドを真下に向け、ボールの右横を捉えて、斜め右上方向に擦り上げる。脇を上げて、肘を天井に引っ張り上げていくようなイメージだ。ボールに左横回転がかかって、相手のフォア側へ逃げていくような軌道を描けば上手く出来ている。
図:ラリーズ編集部
>>下回転サーブの最適なレシーブとは?トップ選手に学ぶレシーブ講座
逆チキータのコツ
コツとしては、速いボールを出そうと思い過ぎないことだ。スピードよりも、しっかりと回転をかけて、相手の逆を突くという意識を強く持とう。
また、必ずチキータを出すそぶりを見せないといけないということもない。最初はバック面でのツッツキでいいので、やや右方向にスイングして横回転をかけることからやってみよう。ツッツキが問題なく出来る方であれば、おそらくそれほど難しくはないはずだ。
ただしやってみると、右方向にスイングするだけでは、ボールが高くなってしまうことが分かるだろう。そこで、若干押し込む意識を持ちつつ、斜め右上方向に擦り上げるようにしてみよう。
このスイングは、バックサーブの時のラケットの動かし方とよく似ている。右斜め上方向へ擦り上げることで、低い軌道で左横回転をかけて相手から逃げるようなボールを打つことが出来る。
図:ラリーズ編集部
逆チキータのデメリット
逆チキータのデメリットとしては、やはりチキータと同じで対抗策が確立してしまっていることだ。なので逆チキータをさせてもらえないという展開は十分に考えられるので、それはあらかじめ考えておかなければならない。
また、チキータほどの威力がある技術ではない為、読まれると簡単に打ち抜かれてしまうということも考えられる。待ってましたとばかりに強力なボールを叩き込まれると、それ以後は逆チキータをするのは難しくなるだろう。
また、横回転がかかっているので、それを利用されて複雑なボールを打たれることもある。相手に読まれていた場合に、回転に合わせてシュートドライブで返されたりすると、かなり苦しいだろう。
>>レシーブを武器に!試合に勝つためにテクニックを身につけよう
まとめ
今回は逆チキータについてお話してみた。チキータのような主力武器というよりも、その補助として、たまに見せておいて、「逆チキータもあるんですよ」という意識を相手に植え付ける為に使う、くらいの利用法がちょうどいいかもしれない。
しかしながら、初心者にとっては比較的簡単に習得可能で、かつ効果的な技術であることには違いない。チキータに挑戦するよりも先に、逆チキータからチャレンジしてみるのはいかがだろうか。