卓球人のこだわりグッズを紹介する「俺の卓球ギア」。
第76回となる今回は、実業団・リコー卓球部に所属し、2020年全日本卓球選手権ダブルスベスト8に入った宮本幸典の卓球ギアを紹介する。
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宮本幸典の卓球ギア
写真:宮本幸典の卓球ギア/撮影:ラリーズ編集部
戦型
右シェーク裏裏
ラケット
フォーティノ プロ(TIBHAR)
ラバー
フォア:エボリューションMX-P(2.1・TIBHAR)
バック:Q5(2.1・ミズノ)
こだわりのもの
枕
柔軟剤
※ギアは2020年6月時点のもの
名門校育ちの宮本幸典
宮本が卓球を始めたのは小学生のとき。体育の日に無料開放していた施設で卓球と出会ったのがきっかけだ。東京・尾久八幡中から京都・東山高校、そして中央大と各カテゴリで卓球名門校と呼ばれるチームに所属してきた。
中央大学4年の2017年には、定松祐輔(現・日鉄物流ブレイザーズ)と組んだダブルスで大学日本一に輝いている。実業団リコーに入社後も、2018年日本リーグ新人賞、2020年全日本ダブルスベスト8(ペア・池田忠功)と成績を残している。
写真:2020年全日本での宮本幸典(写真左)・池田忠功/撮影:ラリーズ編集部
大学時代、全日本選手権混合ダブルスで準優勝(ペア・高橋真梨子)を果たしているが、本人は「全日本2位が凄いと言われるんですけど、自分は5段をゼッケンに書かないといけないのが今は恥ずかしい(笑)」と照れ笑いを見せる。
ラケットは「めちゃめちゃおすすめです」
宮本の使用用具は、フォーティノ プロにフォア:エボリューションMX-P(2.1)、バック:Q5(ミズノ)。元世界ランキング1位の44歳、ブラディミル・サムソノフ(ベラルーシ)が使用しているラケットを宮本は扱う。
「3万円するんで、高いから使い始めました(笑)」とおどけてみせたが、宮本なりのフォーティノ プロの扱い方を教えてくれた。
写真:2020年全日本での宮本幸典(写真手前)・池田忠功/撮影:ラリーズ編集部
「めちゃめちゃ飛ぶ素材が入っていて、1ヵ月くらいしっかりと手汗など湿気を含ませて馴染ませないと飛びすぎて何もできない暴れ馬です。1ヵ月は一緒にお風呂に入ったり水につけたりしないと制御できない。ある程度湿気を含んだ状態になると、ラケットが軟らかくなってコントロールが本当にしやすくなるんですよ。1ヵ月使ってほしい。変わります。めちゃめちゃおすすめです」と自信を持ってラケットを推薦する。
写真:2020年全日本での池田忠功・宮本幸典(リコー)/撮影:ラリーズ編集部
1ヵ月の準備期間を経て、宮本は“相棒”の暴れ馬を乗りこなし、全日本ダブルスランク入りを果たした。
使用ラバーについては「(山本)勝也さんと一緒です。大学のときは両面テナジーを使ってたんですけど、リコーに入って変更しました。全日本のときは両面TIBHARラバーでしたが、今はバックはQ5を使っています」と説明した。
こだわりは枕と柔軟剤
こだわりの愛用品として宮本は枕と柔軟剤をあげた。
「遠征のときは絶対に枕を持っていきます。自分の首の高さに合って使い込んだ枕じゃないと夜寝れなくて。ホテルの枕だと夜寝れなかたり寝違えたりしちゃうんですよ」と睡眠に対するポリシーを教えてくれた。
写真:2020年全日本での宮本幸典(写真左)・池田忠功/撮影:ラリーズ編集部
また「極力みんなで洗濯したくない。このタイミングで柔軟剤入れるというのもあります」と細かなこだわりを明かした。「すすぎのタイミングで絶対柔軟剤を入れたい。でもなかなかみんなで行動してると難しくて、洗濯回してごはんとか行けないんですよ(笑)」と意外な悩みも披露した。
短い時間の中でも工夫して練習
実業団選手となり、仕事と卓球の両立が求められ学生時代より練習量は減る。そんな中、宮本は「家が遠くて通勤に1時間半から2時間ぐらいかかってしまう」と他の選手よりもさらに効率的に練習を行う必要があった。
「夜遅くまで練習すると、次の日の業務に支障が出てうまくいかなかった。なので、昼休憩に時間を作ってトレーニングしています」と隙間時間を活用している。
また「周りの社員は僕を普通の一般社員として扱ってくれている一方で、練習に行かないといけないのに残業してるときには心配してくれます」と卓球部だけでなく一般社員からもサポートを受け、宮本は卓球をプレーしている。
「シングルスで全日本ランク入りを目指したい」と語る宮本。卓球部だけでなく会社のサポートを受け、リコー卓球部で戦う宮本から目が離せない。