社会人1年目から結果を出す秘訣は?日本リーグ新人賞・リコー郡山北斗に学ぶ | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ)

写真:郡山北斗(リコー)/提供:リコー

卓球×インタビュー 社会人1年目から結果を出す秘訣は?日本リーグ新人賞・リコー郡山北斗に学ぶ

2020.09.16

この記事を書いた人
Rallys編集長。学生卓球を愛し、主にYouTubeでの企画を担当。京都大学卓球部OB。戦型:右シェーク裏裏

「社会人1年目から結果を残すためには?」就活生や社会人1年目の人が思い悩んでいることではないだろうか。

リコー入社2年目の郡山北斗(こおりやまほくと・23歳)は、2019年後期日本卓球リーグで新人賞獲得と社会人1年目から結果を出した。

なぜ郡山は1年目から成果を出せたのか。郡山のリコー卓球部での1年間について話を聞くと、社会人1年目に大事なことが見えてきた。

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仕事と卓球の両立 「1年目はとにかく大変」

――リコーでの1年目の生活を振り返っていかがでしたか?
郡山北斗(以下、郡山):
1年目はとにかく大変でした。最初の方は肉体的にも精神的にもキツかったです。

初めは学生時代の名残があって、夜中遅くなったり朝もギリギリだったり、生活面での不安を抱えていました。

半年くらい経つとだんだん慣れ、1日の生活サイクルがわかってきました。練習でも気楽に自分のやりたいようにできるようになりました。


写真:郡山北斗/提供:リオさん

――どこが一番苦労しましたか?
郡山:
デスクワークの時間が長いので、学生時代とは違う疲れがありました。

8月に肩を亜脱臼して1ヵ月くらい卓球できない時期があったんですが、大学生までそんな怪我はなかったので、環境が変わって自分の身体も悲鳴をあげているのかなと思いました(笑)。

――リコーでの業務はどのようなことを?
郡山:
オフィスプロダクツ事業本部 SC事業センター OEM事業推進室 営業一グループという部署にいます。有延さんの営業とはまた別の種類の営業業務で、外出するよりオンラインでやり取りするのが多いです。主に既存顧客関連、新製品立ち上げ関連の営業業務や、国内製品OEM関連の市場調査をしています。

田添健汰に学んだ専修大学時代

――卓球面では、学生時代よりは練習時間が短くなったかと思いますが、そこまで気にならないですか?
郡山:
そうですね、大学時代もそんなにたくさん練習量をこなしていたわけではないんです。

僕はたぶん練習が少ない方が合っていて、量をたくさんやるよりも1時間でも2時間でもいいので思いっきり集中してやる方があってるとは思ってます。


写真:郡山北斗(リコー)/撮影:ラリーズ編集部

――そんな中、大学では全日学ダブルス優勝、シングルス3位、インカレ優勝と好成績。大学4年間はどうでしたか?
郡山:
周りに模範となる人がいるのが新鮮でした。

1つ上に田添健汰選手がいて、卓球に対しての考え方をダブルス組むことによって教えてもらいました。生活リズムや食事の摂り方も参考にして学ぶところがありました。

同学年には(田添)響がいて、下には三部航平、及川瑞基が入ってきて、僕とは違って卓球を研究するのが好きというか一緒に話していて学べました。


写真:専修大インカレ優勝時。中心メンバーであった左から郡山北斗、及川瑞基、三部航平、田添響。/撮影:ラリーズ編集部

エース・有延大夢から得た学び

――「仕事と卓球の両立」をモットーに掲げるリコーは入ったきっかけは?
郡山:
リコーは、フルタイムで働いて卓球を練習して結果を出しているのが魅力的でした。それが全てです。あとは工藤監督が専修大学出身で、繋がりがあったことも大きかったです。

卓球選手としてはキャリアがあと4、5年なので先を見据えて、仕事という場に自分を置いて、社会の勉強を同時にしていけたらという意味合いもありました。


写真:郡山北斗(リコー)/撮影:ラリーズ編集部

――日本リーグという高いレベルで2019年度は後期1部新人賞を獲得しました。試合はどうでしたか?
郡山:
初めは萎縮してしまうことありましたが、後半は慣れてきました。

有延さんと練習することによって、強い選手のボールを受けることができる。練習相手をするだけで自分をどんどんプラスに持っていけることがすごく大きいです。

――専修大学でも田添健汰選手らがいてハイレベルな環境でしたが、また違うものですか?
郡山:
違った緊張感があります。有延さんは練習以外の場所だと全然そんなことないんですけど、練習中は独特の雰囲気があって覇気を感じます。

また、ナショナルチームへ練習に行っているので、吸収したことを発信してくれるので、そこでも勉強になります。


写真:郡山北斗(リコー)/撮影:ラリーズ編集部

――有延選手が卓球面ではお手本となっているわけですね。
郡山:
2019年の前期日本リーグでは勝てなくて悩んでいました。後期は試合前の練習で有延さんが僕に気を遣ってくれたのかわからないんですけど、結構な確率で練習に誘ってくださり、その分緊張感を持って試合に臨めて、結果(シングルス4勝0敗)を残せました。

なので普段からそういう風に緊張感を持って試合前に練習すれば、試合がうまくいくんだろうなと感じました。

有延さんは、真面目な方で尊敬できる部分がたくさんあるので、良いところはどんどん吸収していきたいと思っています。


写真:郡山北斗/提供:リオさん

――有延選手の存在は大きいですね。最後にご自身の思い描いている目標を教えて下さい。
郡山:
チームではまだ優勝を経験していないので優勝したいです。個人戦では、全日本選手権で現役のうちに1回はランクに入りたいと思っています。


写真:郡山北斗(リコー)/撮影:ラリーズ編集部

郡山は、専修大学で田添健汰に、リコーでは有延大夢に出会い、成長を続け結果を出している。郡山が結果を残せているのは、尊敬する“上司”との出会いはもちろんだが、本人の“謙虚な姿勢”や“貪欲な態度”で自ら学ぶチャンスを逃さなかったからだ。

これは社会人であれ卓球選手であれ、結果を出せる人に共通する力だ。郡山がリコーの大黒柱として戦う日もそう遠くはないかもしれない。

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