卓球人のこだわりグッズを紹介する「俺の卓球ギア」。
第83回となる今回は、2020年関西学生秋季リーグで3勝をあげ、チームの12年ぶりのリーグ制覇に貢献した亀田智士(同志社大学3年)の卓球ギアを紹介する。
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このページの目次
亀田智士の卓球ギア
戦型
右シェーク裏表 前陣速攻型
ラケット
馬林エキストラスペシャル(ST・YASAKA)
ラバー
フォア:テナジー64(特厚・バタフライ)
バック:モリストSP(厚・Nittaku)
ユニフォーム
同志社大学のユニフォーム
こだわりのもの
コカ・コーラ
リストバンド
UVERworldの曲
イヤホン
※ギアは2020年9月時点のもの
“ブーメランスネイク”に憧れて卓球をスタート
現在同志社大学3年の亀田は、8歳から地元奈良で競技を始めた。卓球経験者の父の影響もあったというが、もう1つのきっかけは漫画のキャラだった。
「最初は『テニスの王子様』を観て、登場人物の海堂薫のブーメランスネイク(ポールの外側を通してコート内にボールを入れる技)を打ちたくてテニスをしていましたが、卓球のほうがボールが曲がりやすかったのでブーメランスネイクを打てることがわかり、卓球を選びました」。
写真:亀田智士(同志社大学)/撮影:ラリーズ編集部
そこから亀田は、奈良県内、近畿、全国で数々の実績を叩き出した。中学では近畿総体シングルス2位、全日本選手権ジュニアの部出場、高校では奈良県インターハイ予選シングルス3連覇、インターハイシングルス3回戦進出などの成績を残した。
写真:亀田智士(同志社大学)/撮影:ラリーズ編集部
中でも中学3年での全日本ジュニア1回戦が一番思い出に残っていると語る。対戦相手は、その年の全国中学校卓球大会シングルスベスト8の盛武大悟(当時・野田学園中、現・法政大学)だった。亀田は、実力者の盛武を相手にフルゲームの接戦をものにしてみせた。
「ネットとエッジを連発して勝てました。その試合で、卓球という競技は相手が格上でも相手のメンタルを崩せば勝てるということを悟りました」と謙遜しながらも勝因を振り返った。
バック表の亀田のこだわり
亀田の使用用具は、馬林エキストラスペシャル(ST)にフォア:テナジー64(特厚)、バック:モリストSP(厚)だ。「去年までカーボン入りのラケットを使っていましたが、バックが安定しないので7枚合板に変えました」と安定感を重視し、ラケットを特殊素材から木材合板に変更したことを明かした。
写真:多彩なサーブを持つ亀田智士(同志社大学)/撮影:ラリーズ編集部
亀田は、切れ味鋭いサーブとスピードのあるフォアドライブに加え、バック表での変化を持ち味としており、ラバーはプレースタイルに合ったものを選択している。
「フォアは、1発の威力重視なのでテナジーの中でもスピードの出る64を使っています。バックは一昨年までハモンドFAを使ってましたが、大学生になって合わないと感じたので気分転換にモリストSPにして厚さも中から厚にしました」。
写真:バック表での攻撃も持ち味とする亀田智士(同志社大学)/撮影:ラリーズ編集部
ゲーム間のコーラで調子を上げる
ラケット、ラバー以外の“卓球ギア”として亀田はコーラ、リストバンド、UVERworldの曲とそれを聞くためのイヤホンをあげた。
写真:亀田智士の卓球ギア/提供:本人
コーラについては本人いわく「美味しくてゲーム間にベンチで幸せになれるので試合中に飲んでいます。500mlよりも1リットルの方がコーラパワーも倍になって調子が上がりやすいです」とのこと。
リストバンドは、手首が動きすぎることを防ぐために使用しており、「軽く締め付ける方がしっくりきて振りやすい」と効果を実感している。
写真:手首にはリストバンドを装着している亀田智士(同志社大学)/撮影:ラリーズ編集部
また、音楽については「自分はUVERworldというバンドが好きで毎日爆音で聴いています。ライブに何回も行ってめちゃめちゃ元気貰ってます。もちろん試合前にも聴いてテンションぶち上げてます」と亀田の日常の一部になっている。
ターニングポイントは同期の石脇との一戦
2020年の関西学生秋季リーグではシングルス3勝1敗と勝ち越し、同志社大の12年ぶりの優勝に貢献した。しかし、その後のシングルスの大会である関西学生選手権ではベスト64で姿を消し、ランク入りを果たせなかった。
写真:亀田智士(同志社大)/撮影:ラリーズ編集部
来年が学生卓球最後の年になる亀田は、今後の目標として個人戦での成績について言及した。「リーグでは勝ち越すなどある程度活躍はできているのですが、個人戦ではすぐに負けてばかり。まずは全日本選手権予選を通過して本戦でも勝ち上がり、関西学生では来年こそランクに入りたいと思います」と意気込んでいる。
写真:亀田智士(同志社大)/撮影:ラリーズ編集部
最後に卓球人生におけるターニングポイントを尋ねると、同志社大の同期・石脇優樹の名が亀田の口からあがった。
「中学3年の近畿総体決勝で同郷で現チームメイトの石脇に、2-2の9-5から6点取られて負けました。あの日からなぜか逆転負けしやすくなってしまい、石脇に逆転勝ちし返すことだけを考えて今まで卓球してきました」。
石脇と亀田は、中学時代に奈良県内でしのぎを削ったライバル同士だ。高校は石脇が県外に進学したため、別々となったが大学ではチームメートとして戦う。
写真:亀田智士(同志社大学)/撮影:ラリーズ編集部
身近な仲間でありながらもライバルである石脇を超えるため日々努力し、関西学生リーグ優勝の立役者の1人となった亀田。学生卓球の集大成となる来年、個人戦でお互い勝ち上がり、大舞台で石脇と雌雄を決する。そんなシーンが見られるかもしれない。