卓球用具紹介 【卓球】粘着ラバーの特徴は?効果的な戦術を解説 おすすめの粘着ラバーも紹介
2020.05.31 文:ラリーズ編集部
卓球は、使用するラバーのタイプによって得意な戦い方が変わります。強烈なスピンをかける戦い方をするのなら、数あるラバーのうち、粘着ラバーを使用するのがおすすめです。
ここでは、粘着ラバーとはどういった特徴を持っているのか、どのようなプレースタイルに向いているかについてご紹介します。
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このページの目次
トリッキーなゲーム運びが可能!粘着ラバーの特徴について
粘着ラバーはその名のとおり、手で触ったときにベタベタとした触感のある粘着質のラバーです。粘着ラバーだとボールとラバーが当たるときに大きな摩擦力を生むので、ボールに強い回転がかかりやすくなります。粘着質の度合いは製品により差があり、自身の求める回転力に合わせて選ぶことができます。
粘着ラバーは大きく「強粘着」「弱粘着」「粘着テンション」の3つのタイプに分けられます。強粘着は文字どおり粘着力が強いタイプで、弱粘着は控えめなタイプ、粘着テンションは粘着力に加えてボールを弾く力も強化したタイプです。強い粘着力を生かしたスピンを使って戦いたいが、ある程度はボールスピードも欲しい、という場合は粘着テンションのラバーがおすすめです。
粘着ラバーを使用するとボールに強烈な回転がかかるため、ボールの軌道を変える、バウンド時に沈み込む、逆に大きく跳ねるといったトリッキーな攻撃が可能となります。相手の攻撃をブロックする際にも、他のラバーと比べて回転をつけやすいので、どこにボールが跳ねるのか分かりづらいナックルブロックで翻弄することが可能です。
一方で、粘着ラバーは回転をかける力が強い代わりに強打の威力は他のラバーより劣ります。どのラバーも一長一短なので、自身の卓球プレースタイルに合わせて選択することが大切です。
粘着ラバーでどう戦うか?
粘着ラバーには「回転をかけやすい」という特徴があるため、このラバーを使用して卓球の試合に挑む場合には、ボールに回転をかけるスキルが必要となります。その上で、スピンを多用した戦い方が自分に合っていると感じるなら、粘着ラバーが大きな力を発揮するはずです。
粘着ラバーを使用する場合、どのような戦い方ができるでしょうか。
粘着ラバーとテンション系ラバーだと、ドライブの打ち方が大きく変わります。ドライブには主に食い込ませるドライブと擦るドライブがあり、食い込ませるドライブは速い球速で打ち抜くことを目的とし、擦るドライブは回転をかけることで相手を翻弄することを目的とします。粘着ラバーを使用すればボールの回転数が上がるため、擦るドライブを中心に組み立てることになります。
擦るドライブは、相手のブロックを弾き飛ばす目的でも使われます。擦るドライブは食い込ませるドライブより球速が落ちるので、ブロックは間に合いやすいといえますが、強い回転により相手のところへ打ち返すのが難しくなるのです。
また、食い込ませることによるスピードドライブと同じく、一撃で打ち抜くような攻撃も可能です。粘着ラバーを使ってカーブドライブを打つと、他のラバーと比べて大きく横へ切れます。これに追いつくことは難しく、ノータッチで得点につなげることもできるのです。
粘着ラバーを使えば、ドライブ以外でもトリッキーでテクニカルな戦い方が可能となります。特に威力を発揮するのがサーブで、粘着ラバーで回転をかけるサーブは回転量が多い為、レシーブが難しくなり、サービスエースによる得点を狙うことができるのです。
その他、チキータやストップなどの台上技術においても強い回転をかけることができるので、トリッキーな軌道を多用したテクニカルな戦い方を追求することができます。
粘着ラバー使用時の注意点
もちろん、粘着ラバーには注意しなければならないポイントもあります。例えば、大きなアドバンテージを得られるサーブにおいては、リターンされたときに自分がかけた回転が残り、次の攻撃が難しくなるという側面もあります。また、相手がかけたスピンの影響を受けやすいという特徴もあり、スピンの勢いを上手く殺せずにあらぬ方向へ弾いてしまうリスクがあります。
これらのディスアドバンテージに対応するには、ボールにどのようなスピンがかかっているかを瞬時に見抜き、適切な対応をするというスキルを磨くことが大切です。
強打が打ちづらくなるのも、粘着ラバーの弱点です。前陣で戦っている間に大きなパワーが必要になるケースは少ないですが、台を離れて中陣、後陣と下がるにつれ、粘着ラバーの遅いボールは相手に見切られるリスクが高くなります。
相手を翻弄する卓球プレーヤーに
粘着ラバーを使えば、強く切れるサーブでエースを狙ったり、擦るドライブで相手のブロックを崩したりといった技を効果的に打ち出せるようになります。強烈なスピンを駆使したテクニカルな卓球スタイルを目指すなら、粘着ラバーをぜひ試してみてください。
粘着ラバーおすすめ5選
キョウヒョウ ネオ3(紅双喜)
ラバーの特徴
馬龍(中国)や丁寧(中国)といった五輪チャンピオンが使用するラバー。粘着性ラバーの特徴をそのままに、従来のキョウヒョウシリーズよりもさらなるスピードを実現しています。トップシートの粘着性とラバー全体の反発力により、台上攻撃やカウンターで絶大な威力を発揮します。
キョウヒョウ プロ3 ターボオレンジ(Nittaku)
ラバーの特徴
回転性能が高い中国製ラバー・キョウヒョウプロ3のトップシートに、スピード性能を向上させるアクティブチャージ(AC)を内蔵した日本製高弾性スポンジを搭載することで、粘着ラバーでとボールを飛ばすことが可能になりました。このラバーを使用した伊藤美誠(スターツ)は2017年世界選手権で、女子ダブルス銅メダルを獲得しています。
伊藤美誠は「回転がかけやすくて、サーブ・レシーブやドライブの質が高いです。また実際のスポンジ硬度ほど硬く感じないので、スマッシュやブロックもやりやすくて、いろいろな球種を繰り出せます。私のプレイスタイルの特徴を生かせるので好みなラバーですが、どの選手でも使いやすいと思うので、オススメです」とコメントしています。
ゴールデンタンゴ(JOOLA)
ラバーの特徴
「ゴールデンタンゴ」は粘着性トップシートと54度テンションスポンジの組み合わせで、中国製ラバーに代表される粘着性ラバーの良さを最大限に活かしたヨーラ最新の粘着テンションラバーです。
翔龍(YASAKA)
ラバーの特徴
神巧也(T.T彩たま)が使用していることでじわじわと人気を伸ばしてきているラバーです。粘着性のトップシートがボールをつかまえて強烈なスピンを生み出し、テンション効果の高いハードなスポンジが勢いをつけて打球を飛ばします。プラスチックボールにも効果を発揮し、回転量の多いドライブ攻撃やサービス、レシーブが可能になります。
HYBRID K1J(TIBHAR)
ラバーの特徴
粘着性のトップシートがボールを掴んで強烈なスピンを生み出し、ハードで気泡が粗いスポンジによってこれまでよりも速さがあるある打球を可能にします。プラスチックボールでも高い能力を発揮し、回転量の多いドライブ攻撃やサービス、レシーブなど多彩な技術を繰り出すことができます。